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ストーリーで体験を語れば人の心を動かせる

説得力を高める「自分だけの物語」のつくり方

ストーリーで体験を語れば人の心を動かせる

「ちゃんと伝えたのに、わかってくれない」ことのもどかしさを解消する、身のまわりの体験をもとに「物語で伝える」方法AtoZ

著者 鈴木 裕子
ジャンル ビジネス書 > コミュニケーション > 会話術・話し方
ビジネス書 > ビジネスノウハウ > 人を動かす
趣味・実用
出版年月日 2011/03/10
ISBN 9784769610458
判型・ページ数 4-6変・208ページ
定価 本体1,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき

第1章 「きちんと伝えたのにわかってくれない」には理由がある

相手の心を動かすポイント、それは「身近な体験を話す」こと
  身近な体験を「自分だけの物語」にする
  説得力のある人は「自分だけの物語」をうまく使って話している
  「自分だけの物語」は世界にただひとつのオリジナル
なぜ「自分だけの物語」は人の心を動かせるのか
  正しく話すだけでは人の心は動かない
  人の体験談にはリアリティがある
  誰でも物語を求めている

第2章 心に響く「自分だけの物語」はこうして作る

「話の神様」が私を「自分だけの物語」に導いてくれた
  こんなに一生懸命話しているのに
  「体験」を「事例」にした話に引き込まれる
身近にある「事例のネタ」を探そう
  「話材」は身のまわりにあふれている
  メディアから「話材」を見つける
  会話から「話材」を見つける
  出来事から「話材」を見つける
  スピーチから「話材」を見つける
  「話材ノート」を作ってストックしよう
「話材」と「訴求点」を結んで「事例」のベースを作ろう
  話材のままではたんなるおしゃべり。伝えたいことは何かを決める
  相手の心をどう動かしたいのか
  「訴求点」を絞り込んで、ひと言表現にする
  伝えたいメッセージが確実に伝わる「話材」を選ぶ
相手の心を動かすには、事例をしっかり作り込むことが肝心
  構成がしっかりしていないと、よい話材が生かせない
  第1段階:「出だしの言葉」をつくる
  第2段階:「話材」の語りを作り込む
  第3段階:「話材」から得られる気づきを一般化する
  第4段階:キメの言葉で落とし込む
事例シートを使ってまとめよう
  「事例」を話すには準備が必要
  「事例シート」で内容をまとめる
  実際に話してみて修正を加える
相手の心により響かせるための工夫
  自慢話より失敗談を話そう
  使い古した話より鮮度のよい話
  話し手の人間性に好感がもてる内容に

第3章 話し方の工夫が「自分だけの物語」をより効果的にする

準備が終わったらいよいよ本番。謙虚に素直に率直に話してみよう
  間違えないように話すことより、思いを伝えることに重点をおく
  「話してあげる」ではなく「聴いてもらう」という姿勢で話す
伝えたいメッセージを相手の心にしっかりと刻み込むには
  構成や言葉づかいを工夫する
  話の切り口や言葉づかいを相手に合わせる
  「自分」「自分たち」を主語にして話す
  問いかけて巻き込む
  相手への思いやりや共感の言葉をかける
  「事例」を生かす話し方の例
よい事例を台無しにするディスカウント・トークに気をつけよう
  自分を擁護する言い訳をしない
  自分を卑下する言い方をしない
  相手をばかにしない
  第三者の悪口をいわない
どのように話すかで「自分だけの物語」はもっと心に響くものになる
  訴求力の決定打は「見た目」と「声」
  スピードと間を生かして記憶させる
  情景が目に浮かぶよう、リアルにいきいきと
  緩急をつけて強調ポイントを際立たせる
  感動的な話ほど、淡々と話す
「自分だけの物語」 忘れられない50年前の親切

第4章 「話の神様」があなたのことを見守っている

チャンスを逃さずトライしよう
「自分だけの物語」はあなたの人生も豊かにしてくれる

あとがき

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内容説明

 

論理や理屈だけでは相手の心に響かない!

納得と共感を生むプレゼン、説得、説明、コミュニケーションの

決め手は「物語(ストーリー)で伝える」こと。

身のまわりで起きたことや見聞きしたことを説得力のある体験事例に「物語化」するAtoZ。

 


第2章“心に響く「自分だけの物語」はこうして作る”がまるまる読める立ち読み版PDFあります。

http://www.kou-shobo.co.jp/news/n1992.html


 

なにかを正確に論理的に説明されても、頭では理解できるけど気持ちが動かないということ、ありますよね。人間には感情がありますから、誰かに納得してもらい、考えを受け入れてもらうには、理屈で押すだけでなく、相手の感情に訴えることがとても大事。そのときに役立つのが「物語で伝えること」なんです。

なにかを伝えたり説明したりするとき、欧米人は上手に「たとえ話」を使います。見たこと、聞いたこと、体験したことを例にして、たとえ話を物語風に即興でつくるのも得意です。説法でたとえ話を多用したイエス・キリストの時代から、そういう文化があるのかもしれません。

それに対して私たち日本人は「たとえ話」をつくるのがちょっと苦手。それってきっと、「物語で相手に伝える」方法を習ったことがないからではないでしょうか。

この本で、身近な事例から「相手の心に響く物語」をつくって話す方法を覚えましょう。

セールスパーソンやプレゼンの機会が多い人、誰かに何かを教える立場にある講師や先生、お子さんをお持ちの親御さんなど、この方法がきっと役立ちます。

 


 

◆まえがき◆

 

「ちゃんと伝えたのに、わかってくれない」

そんなもどかしさを感じたことはありませんか?

 

上司や同僚、家族や友人に、言葉を尽くして話したにもかかわらず、相手の反応がよくないと、「どうしてわかってくれないのだろう」とがっかりしますよね。

そして、「この人には、何をいっても無駄だ」となりがちです。

 

でも、あきらめることはありません。

そんな相手の関心を引き、じっくりと聴いてもらえる方法があるのです。

それは、「自分だけの物語」を語ることです。

 

私は現在、プロの講師として活動しております。おかげさまで受講者のみなさまから、「講義がわかりやすい」という声もいただけるようになりました。

でも、特別な才能をもっているわけでは決してありません。

 

まだ駆け出しの頃は、私が講義をしていても、受講者に眠たそうにされて、非常に困ったものでした。どうすれば受講者が顔を上げてくれるのか、どのように話せば私の話を興味をもって聴いてくれるのかと、真剣に悩みました。

 

この頃の私は、「話すこと、伝えること」の本質がわかっていませんでした。そのため、真剣に聴いてもらいたいと思って取った行動が完全に逆効果だったり、正確に伝えようとして行なったことがむしろ相手の興味をそいでしまったり……と、本当にたくさんの失敗をしました。

 

こうした失敗談の数々は、このあと本文内でもご紹介いたします。それらをご覧になれば、私が「話すこと、伝えること」について、もともと特別な才能をもっているわけではないことが、おわかりいただけると思います。

 

そんな私を導いてくれたのが、本書のテーマである「自分だけの物語」なのです。

この手法のおかげで、私は「話す」ことが好きになり、講師という仕事にも自信がもてるようになりました。

 

私自身が強く魅せられ、多くのことを学んだ、「自分だけの物語」を話すという手法を、たくさんの方に知ってもらいたい――。

 

そういう思いで、本書を執筆させていただきました。

 

「自分だけの物語」とは、あなたの体験から生まれるオリジナルストーリーです。

「体験」といっても、大冒険をしたとか、何かで日本一になったというような、誰もがびっくりするような体験のことではありません。

毎日の生活のなかで見たり聞いたり経験したこと、そんな身近な体験が、相手の心を引きつけるストーリーになる――、それが「自分だけの物語」なのです。

 

あなたの体験を「自分だけの物語」にする方法は、誰にでも身につけられます。

「伝えたい想い」を「ストーリー」で語ることができるようになると、きっと「興味をもって聴いてもらえた!」「心から納得してもらえた!」と、実感していただけると思います。

すると、話すことが面白くなるだけでなく、人づきあいも楽しくなります。

 

本書を通じて、そんなお手伝いができたら、これほどうれしいことはありません。

 


 

◆あとがき◆

 

ある1本の映画があります。多くの人は、それを観おわると涙を流します。なのに以前の私は、何度観てもまったく泣けませんでした。

それは『てんびんの詩』(日本映像企画)という社内教育用の映画で、のちに経営者として大成功を遂げる主人公・近藤大作の、少年時代の物語でした。

 

いまから20年ほど前のことですが、私が以前勤めていた会社では、社内研修で管理者に、この映画を鑑賞させていました。

社会人として多くの苦難を乗り越えてきた管理者は、映画の主人公を、若い頃の自分と重ね合わせるのでしょう。観終わると、多くの方が涙を流していました。その光景を、いまでもはっきりと覚えています。

 

当時の私は、講師という仕事をただあこがれの目で見ているだけで、仕事の難しさも苦労も喜びも、まだ何も知りませんでした。だから、なぜみんながそれほどまでにこの映画を観て感動するのか、理解できなかったのです。

しかし、講師として数々の失敗を重ね、さまざまな経験をしてきたいま、あらためて観てみると、心の底からしみじみと感じるものがあります。どんな内容かというと……

 

近江商人の家に生まれた大作は、小学校を卒業した日に父親から、祝いの言葉とともに大きな包みを贈られました。驚くことに、中に入っていたのはたくさんの鍋蓋でした。

父親は彼に、この何の変哲もない鍋蓋を明日から行商するよう命じます。そして、もし売れなかったら商家の跡継ぎにはできないと言い放ったのです。

大作には、その意味が理解できませんでしたが、父親の命令なのでしかたなく、重い腰を上げて、まずは家に出入りする大工や植木屋を訪ねました。しかし、親の威光をカサにきて、押し売りのようなやり方をする大作を、彼らは冷たくあしらいました。

次に見知らぬ人の家を回ってみましたが、ろくに口さえ聞いてもらえません。

大作は次第に、こんなつらい試練を与えた父を憎み、買ってくれない人たちを恨むようになりました。このときの大作は、父親や母親、周囲の人々が、彼以上につらい思いで見守っていることに、まったく気づきませんでした。

その後、大作はあの手この手をつかって鍋蓋を売ろうとします。相手にこびへつらって卑屈な演技をしたり、物乞いをする娘を真似て老夫婦を泣き落としにかかったりしましたが、心ない嘘や真似ごとはすぐにばれてしまい、反感を買うだけでした。

結局、何日経っても1つも売れず、いつしか大作の目には涙がにじんでいました。

そんなある日、疲れきった大作が、農家の井戸の洗い場に浮かんでいる鍋をぼんやりと眺めていると、ある考えが浮かんできました。

「この鍋蓋が無(の)うなったら、困って買(こ)うてくれるかもしれん」

しかし次の瞬間、こう思い直します。

「この鍋蓋も、誰かが自分のように難儀して売った鍋蓋かもしれん」

そう思った大作はいてもたってもいられず、その鍋蓋を一心不乱に洗い始めました。その姿を見た鍋の持ち主は、そろそろと大作に近づき、怪訝そうな顔で理由をたずねました。すると大作は、思わずその場に手をついて、こういいました。

「堪忍してください。わし悪いやつです。なんにも売れんかったんやないんです。モノ売る気持ちもでけてなかったんです。そんな三か月やったんです」

それまで大作は、一生懸命売ろうと努力しているのに、一向に報われないと嘆いていました。しかし、気づいたのです。商いをする心構えがまったくできていないまま売ろうとしても、売れるはずなどないことに。

涙を流しながら叫ぶ大作の顔を、農家の女性は優しく拭いてくれます。彼女は我が子とおなじ歳の大作に愛しさを感じました。そして鍋蓋を1つ売ってほしいといいました。

売れたのです。初めて売れたのです。

彼女はさらに近所の人たちにも声をかけてくれ、大作の鍋蓋は瞬く間に売り切れました。

このとき大作は、「売ればわかる」といった父親の言葉の意味を知りました。

自分本位で相手を意のままに動かそうとしても、反発心を招くだけです。相手に対し、素直な気持ちで正直に向き合い、礼を尽くすことが、商いの魂なのだと、大作にみずから気づいてほしかったのです。

 

この映画をいま観ると、「話」もおなじだなぁと感じます。

相手にいい話を聴かせよう、教えてやろう、理解させようという姿勢で臨むと、相手はそっぽを向いてしまいます。

話を聴いてもらおう、思いを届けよう、相手に理解してもらおうとしたときに、初めて相手はこちらを向いてくれるのです。

 

この本でお伝えしてきた「自分だけの物語」は、ひとりよがりの押し付けではありません。自分勝手に話したいことを話したいだけ話す技術でもありません。どうしたら相手に納得してもらえるのかをとことん考え、工夫をこらして伝えることに本質があります。

そこには「相手のことを思う気持ち」がいっぱいです。だから、人の心を動かせるのです。

 

つまり「自分だけの物語」は、あなたにとっての「鍋蓋」なのです。

 

映画の主人公は、鍋蓋を売る経験から、「売る者と買う者の心が通いあって、初めて物が売れる」ということを知りました。

「自分だけの物語」を話すあなたは、きっと「話し手と聞き手の心が通いあって、初めてちゃんと伝わる」という手応えを感じることでしょう。

そんなあなたに、「話の神様」は優しく微笑んでくれるはずです。

本書をきっかけに、「伝える」よろこびをあなたと一緒にわかちあえることを心から願っています。

 

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