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こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した

その小さな「積み重ね」があなたの未来を動かす

目次

CHAPTER1 地雷との出合い、それがすべての始まりだった

CHAPTER2 今、この瞬間にできること。それは「伝えること」

CHAPTER3 パンドラの箱をあけて最後に残るもの。それは「希望」

CHAPTER4 出会いを大切にすると、わらしべ長者のようにふくらんでいく

CHAPTER5 NGOだからこそ求められる本物の経営力

CHAPTER6 すべての生命が安心して生活できる社会をこの目で確かめたい

EPILOGUE 「自分にできること」を積み重ねた、その先に……

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内容説明

本文内容を耳で楽しめるオーディオブック版(パンローリング制作)のサンプルです。

 

http://www.youtube.com/watch?v=iO-NyOsoBX4

 


 

●PROLOGUE すべての人に未来をつくる能力(ちから)がある

2001年10月。大学4年生のとき、テラ・ルネッサンスというNGO(非政府組織)を設立した。現在は、カンボジアでの地雷除去活動への資金提供、義肢装具士の育成、ウガンダやコンゴ民主共和国での元子ども兵の社会復帰支援に取り組んでいる。日本国内では地雷や子ども兵をテーマにした講演活動を年平均100回ほど行なっている。

学生時代にNGOを設立する。国際協力活動を仕事にする。はたから見ると、無謀な行動に見えるかもしれない。けれども僕にとってはきわめて自然な行為だった。それは、次の言葉が僕の心の中にずっと残っていたからだ。

これからの社会は君たちのような若い人たちがつくりあげていくんだ。もし、君が何かを始めようとするときに、特別な知識や、特別な財産などはいらないんだよ。ただ、次の言葉を覚えていてほしいんだ。すべての人に未来をつくる能力(ちから)があるんだよ。だから、どんな人にでも可能性に満ちているんだ。

メガネの奥に見えるやさしいまなざしを、当時、高校3年生だった僕に向けながら初老の男性は語りかけた。男性の名前は、A・T・アリヤラトネ博士。スリランカ最大のNGO「サルボダヤ運動」の創始者。上から押し付けた開発ではなく、村人が本来もっている可能性や資産を使って、自ら開発を行なうサルボダヤ運動はスリランカ全土に広がり、博士はアジアのノーベル平和賞と呼ばれるマグサイサイ賞などを受賞している。

高校3年生の夏に参加したスタディツアーで訪れたスリランカ。初めての海外旅行で舞い上がっていた僕は、スリランカの都市で目の当たりにした貧富の格差や内戦の傷跡と戦ったいる人々を見て、旅行気分が吹き飛んでいた。そんなツアーの最終日に出会ったのが、アリヤラトネ博士だった。アリヤラトネ博士が僕に語ってくれた言葉に、僕はとても感動した。「僕にも世界に対して、なにかできることがあるんだ」。自分の可能性を信じる強さを、アリヤラトネ博士は与えてくれたんだと思う。

その後、大学4年生でカンボジアの地雷原に立った。地雷問題について伝えていきたいと思い、講演活動を続けてきた。テラ・ルネッサンスを立ち上げ、地雷から小型武器や子ども兵問題にも活動を広げてきた。NGO活動を続けながら確信したこと。それはアリヤラトネ博士のおっしゃった言葉に集約される。

すべての人に未来をつくる能力(力)がある

男性でも、女性でも、障がいがあっても、子どもでも、老人でも、どんな人にでも、この世界に生きている限り、自分と自分の住んでいる世界の未来をつくりだすことができるはず。この事実だけを信じて疑わずに、自分にできることを懸命に、積み重ねてきた。

本書ではテラ・ルネッサンスが多くの人のサポートを得ながら、積み重ねてきた7年間をまとめてみた。あらためて7年間を振り返ると、至らない点ばかりなのだが、この本を手にとってくださった方々が、自分たちにも「未来をつくる能力(ちから)」があると感じていただければと願っている。



●「CHAPTER5 NGOだからこそ求められる本物の経営力」より

■信頼は借りてくるもの。いくらでも補うことができる■

僕が活動を始めた当初は、活動実績もなく信頼性のかけらもなかった。ただあるのはミッション(使命)と情熱だけだった。活動実績は、短い間にどうにかなるものではない。けれども、多くの人に理念や活動に共感してもらうには、信頼性を高めることがどうしても必要になる。どうしたらいいかを考えているときに、プレスリリースを送ることを教えてもらった。

社会性という大義名分を掲げているNPO・NGOや社会企業家の取り組みは、マスメディアの皆さんも関心をもちやすいものだ。いかに重要な情報であったとしても、情報過多の時代、社会的な意義が薄いものは掲載されにくい。そこで書店に行きPRやプレスリリースに関する書籍を購入して、そこに書いてあるプレスリリースの書き方をそっくりそのまま真似をして、学校で講演をしたり、イベントを開催するたびに、新聞社、テレビ局などにファックスでプレスリリースを送った。

最初はまったく反応がなかった。そりゃそうだろう。大学生がなんだかわけのわからない団体をつくって、地雷を世界中からなくそうと訴えているだけなのだから……。けれども、あきらめずにずーっとプレスリリースを送り続けていると、そのうちポツポツとテラ・ルネッサンスのイベントなどを取材していただけるようになる。記者さんとは取材を受ける関係だけでなく、こちらも学ぶことがたくさんあったので、その後の関係性を築くように努力をしてきた。

そのことで、記者さんの担当が替わっても、次の担当の方にテラ・ルネッサンスの情報を引き継いでもらったり、何かネタがないかテラ・ルネッサンスに問い合わせがくるようになった。また新聞に掲載された記事を見て、雑誌やテレビ・ラジオの取材も入るようになってきた。信頼は連鎖していく。信頼は自らつくり出すのが基本だが、活動を始めた当初は、信頼を借りてくることも大切だ。

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