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物流業界の新常識

陸運・海運・空運フォワーダー・3PL 激変する業界の動きが一目でわかる

目次

第1章 物流業界でも陸・海・空を超えた合従連衡が本格化
第2章 陸・海・空から倉庫・商社まで物流業界進化論
第3章 陸運業界の最新動向--規制緩和と郵政民営化で競争激化
第4章 海運業界の最新動向--かつてない大活況受け物流再編を主導
第5章 空運業界の最新動向--SCM普及で航空貨物のニーズ高まる
第6章 日本郵政、インテグレーターの最新動向--物流再編の台風の目に

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内容説明

●はじめに

世の中に物流業界の入門書・解説書は数多くあります。かくいう私も、経済雑誌の記者として数年前に陸運・海運・空運など運輸・物流業界の担当となった際、取材の下調べや記事執筆の参考資料として、さまざまな関連書を読みあさったものです。

もっとも、本書の第1章でも詳しく触れているように、物流業界は2005年を境にかつてない地殻変動に見舞われ、陸運・海運・空運といった従来の業態を突き抜けた「合従連衡(がっしょうれんこう)」の渦に巻き込まれています。物流業界は1990年代頃までは運輸省(現・国土交通省)の有形・無形の各種規制によって既存の事業者が守られ、そこで活躍するメインプレイヤーの顔ぶれも大きく変わることはありませんでした。しかし、最近の物流業界再編や合従連衡の動きの中で、陸・海・空運などの各業態や各主要企業の位置づけは一変しました。激動のさなかにある物流業界の最新の全体像をとらえるには、結局、既存の入門書や解説書に頼るだけではなく、自ら足を使って取材をし、各企業・団体の発表する膨大なニュースリリースなどを逐一集めて読みこなすほかなかったのです。

本書の執筆にあたっては、そうした筆者自身の経験を背景に、物流業界のメインプレイヤーである個々の企業という切り口から書き進めていくことに力を注ぎました。まず1章では最近の物流業界合従連衡の流れを見たうえで、2章では陸運・海運・空運・フォワーダーなど主要業態の役割を概括。各論として、3章では陸運、4章で海運、5章で空運、6章で日本郵政と欧米の大手インテグレーター(統合的な国際物流業者)について詳述しました。また、物流業界にはこの「フォワーダー」「インテグレーター」のように業界外部の人々にとっては一見とっつきにくい専門用語が多く登場します。そこで10~12ページには、物流業界を読み解くために不可欠なキーワードについて、基本的なビジネス用語(売上高、営業利益、連結子会社など)を含めて簡単に解説しました。

なお、本書はこう書房から2001年に刊行された『医薬品業界 知りたいことがスグわかる!!』(05年に改訂新版)に続く、筆者にとっては2冊目の業界研究書になります。物流業界と医薬品業界に同時に興味を持たれる読者はそれ多くないでしょうが、職業がら、さまざまな業界を外からウオッチしてきた筆者にとって、この2つの業界は1冊の本にまとめてみたいと思えるだけの厚みと面白さを持つ業界だと思います。本書が物流業界の道案内として、少しでもお役に立てれば幸いです。



●「第6章 日本郵政、インテグレーターの最新動向?物流再編の台風の目に」より

■民営化で物流市場に触手伸ばす日本郵政■

○郵政公社は07年10月に日本郵政株式会社に衣替え

物流業界の地図を塗り替える新たなプレーヤーの動きが加速している。それも異業種などからの新規参入組みだけではなく、最初から集荷・配送のネットワークとノウハウを持ったビッグプレイヤーがその主役だ。2007年10月の民営化で株式会社となった日本郵政と、米・欧の物流市場で寡占化を進めている4大インテグレーターである。

まずは日本郵政について見てみると、その発祥は国営の郵便事業に遡る。郵便事業のみならず、郵便貯金と簡易保険の金融2事業も古くから兼営してきた。民営化により、日本郵政はこの郵便・郵便貯金・簡易保険の郵政3部門に加え、各事業の窓口業務を行なう店舗=郵便局を運営する郵便局部門をあわせた4事業会社を分社化。その4事業会社の純粋持株会社として「日本郵政株式会社」が統括するかたちとなる。すでに民営化準備企画会社としての日本郵政株式会社は06年1月に設立され、日本郵政公社が現業を遂行するのに並行して、民営化後の事業戦略を練り上げてきた。

日本郵政は07年4月に「日本郵政公社の業務との継承に関する実施計画」の認可を政府に申請した。これによるとミンエイカ2期目の08年度に4事業会社は単純合計4460億円の純利益(営業利益から支払い金利や税負担等を除いた最終利益)を計画している。ただ、その事業会社別内訳を見ると、ゆうちょ銀行(郵便貯金部門)が3210億円、かんぽ生命保険(簡易保険部門)が410億円と、金融2部門だけで全体の8割を超える。さらに店舗運営会社の郵便局事業会社の純利益も500億円にのぼり、郵便事業会社の純利益は340億円と4事業の中でもっとも収益力が劣る前提となっている。

とはいえ、民営化直前の06年度における郵便事業部門の純利益はわずか18億円の黒字に終わっているため、この計画でさえ楽観的ではないかとの見方も強い。

 

 

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