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マンガで解答!困ったときの労働法Q&A

職場のトラブル防止・解決にズバッと役立つ89項

目次

第1章 労働時間・休日・休憩に関するQ&A
第2章 早出・残業など時間外労働に関するQ&A
第3章 有給休暇に関するQ&A
第4章 賃金に関するQ&A
第5章 就業規則に関するQ&A
第6章 募集・採用に関するQ&A
第7章 異動・出向に関するQ&A
第8章 企業秩序違反と制裁に関するQ&A
第9章 産前・産後休業と育児・介護休業に関するQ&A
第10章 退職・解雇に関するQ&A
第11章 労災・通勤災害に関するQ&A
第12章 パートタイマー・外国人労働者に関するQ&A

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内容説明

* 本書に記載されている内容は、原稿執筆時点での情報です。おおまかには、商品の印刷日(奥付に記載の「発行日」)のおよそ1か月前(およびそれ以前)の時点までの情報となっています。印刷後の状況変化等により、お客様が商品を購入した現時点での事実と商品記載内容が違ってしまうこともあります。お買い求めの際には発行日(上記「出版年月日」および下部関連記事の「増刷履歴」を参照)にご注意ください。 

 

●はじめに

法律の条文というのは私たちが日常使う言葉とは少し違うので、すんなりとは馴染めないことがあります。法律が苦手だという人が多い原因も、そのあたりにあるのではないかと思っています。

日常的に周囲で起こったり、マスコミで報道されているトラブルなどを見ていると、法律的な知識があれば、こんなに大きなトラブルにはならなかったのにと思うときがあります。とくに雇用や労務に関するトラブルの場合、労働法と呼ばれる分野の法律でだいたいの揉め事には対応できるように法体系が整備されていますから当事者同士でああだ、こうだと感情的な言い争いをしなくても、すっきり片がつくことだってあるのです。

労働法は、企業に雇用されて働いている人と、従業員を雇用する事業主=経営者にとって重要な法律ですが、「労働法」という名前の法律があるわけではありません。従業員と事業主との関係=雇用関係にかかわりのある法律のことをひとまとめに労働法と呼んでいるのです。

労働法に属する法律として重要なものは、労働三法と呼ばれる「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」ですが、それ以外にも労働法の範疇に含まれる法律として「労働安全衛生法」「育児介護休業法」「男女雇用機会均等法」「雇用対策法」「職業安定法」「労働者派遣法」、平成19年11月に成立した「労働契約法」などがあります。このほか労働・社会保険関係の法律も労働法に属するものと考えられています。

事業主と従業員の間にトラブルがない場合は、労使ともに労働法の存在を意識する機会はあまり多くありません。意識されるのは問題があるときと考えられますが、このときには法律知識の有無によって、問題が解決される方向が決まるといっても過言ではありません。おたがいに主張をぶつけ合って言い争うよりも、法律ではどのような定めになっているかを見て、解決の方向を探れるからです。

法律が重要なものであることは誰もが認めています。ですが、はじめに書いたように、一般的に法律というのは、なにやらとっつきにくいものです。書いてあることを見ても読んでも、新聞や雑誌などで普通に目に触れる文章とは違っているので、ざっと見ただけではよくわからないことがあります。じつは、法律というのは都合よく解釈されないように、また例外的な物事にも対応できるように書かれているのですが、かえってそのことが文章をわかりにくくしている面があることは否めません。

そこで、労働法について、できるだけ普通の言葉でわかりやすく解説する本は書けないものかと考えました。そのために効果的な方法として、実際にありそうな問題が発生したと想定して、その対処のしかたを法律で裏づけするというQ&A方式を取ることにしました。百聞は一見にしかずといわれますから、ビジュアルな要素、つまりマンガ・イラストを多用して、できるだけわかりやすい本を目指しました。

法律にも原則と例外があります。それらすべてに言及していたのでは、いくらスペースがあっても足りません。週40時間制の例外など重要なものはさておき、一般的にあまり出会うことのないような瑣末な例外規定には触れず、一般的・原則的なことを中心に記述してある部分があることをあらかじめお断りしておきます。本書が労働法についての理解の一助になることを願っております。



●「第11章 労災・通勤災害に関するQ&A」より

■労災と認められるのはどんな場合か■

仕事中の事故は会社に責任がある 仕事が原因で従業員がけがをしたり、病気になったりした場合、会社には治療のための費用を負担する責任があります。休業中の所得や、事故による障害、死亡などに対する補償も必要とされています(労基法第8章の各条)。これらの補償については、実際には労災保険から必要な給付が行なわれるのですが、それとは別に民法上の損害賠償責任を問われる場合もあります。

業務起因性と業務遂行性 仕事中の事故でも、すべてが労災保険からの給付を受けることができる業務災害と認められるわけではありません。業務災害と認められるためには「業務遂行性」と「業務起因性」のふたつの要素があることが必要とされます。

業務遂行性とは「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態」にあることで、就業時間中に普通に働いてる場合は、まず問題なく認められます。

業務起因性とは、業務とけがや病気の間に一定の因果関係があることをいいます。事故による負傷・死亡などの場合、業務起因性を証明するのは、それほど難しくはありません。しかし病気で休業したり、死亡した場合、脳・心臓疾患と長時間勤務、石綿と中皮腫など一部を除き、業務との因果関係が簡単には認められないことがあります。

 

 

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