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言ってはならない!その一言

目次

第1章 しゃべりは人のためならず

第2章 それを言っちゃオシマイよ~腹が立つ、気になる10の口のきき方

第3章 「しゃべり方で損する人、得する人」どこが違う?

第4章 知らないうちに人を遠ざける10のタイプ

第5章 今日からあなたもしゃべりの達人

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内容説明

●プロローグ~何気ないその一言が命取り…

ある銀行員の話である。支店近くに住む未亡人、と言っても70歳をゆうに超えている顧客が銀行にやってきた。彼女は課長代理になったばかりの彼の大事な顧客である。自転車で日参して、ようやく5000万円の定期預金をもらったのだ。行員は、未亡人を笑顔で迎え、ソファに案内した。

「ますますお顔の艶もよく、お元気そうですね」 お愛想を言う。よもや預金を解約にきたのではないかと、内心気が気でない。「ところで、今日は」 「貸金庫に用があって」 彼はほっとした。当たり障りのない世間話をしたあとで、銀行員最高の笑みを浮かべて言ったのである。

「奥様。ご安心ください。奥様の全財産の5000万円は、私が命を掛けて大切にお預かりしておりますから」 その一言で、それまでにこやかだった未亡人の顔色が変わった。「あ、あなた……。なんて、失礼な!」 こめかみに血管が浮き出て、両端からつばきが溢れるままにわなわな唇を震わせている。「支店長を呼びなさい」 未亡人は叫んだ。

その行員は何が起こったかわからない。突然の怒りにおびえ、支店長室に飛び込んだ。あわてて出てきた支店長も平謝りに謝るが未亡人の怒りは収まらない。「こんな失礼な銀行とはお付き合いできないわ」 その場で定期預金も解約されてしまった。

~中略~

お分かりだと思うが「全財産」の一言が、未亡人を怒らせてしまった。彼女のプライドを傷つけてしまったのだ。そして、この行員は「全財産」という一言で顧客を失い、しかも次の人事異動を待たずに小さな支店に転勤を命じられた。プライドを傷つける一言は、十分に人間関係をこなごなにする地雷になる。ところが困ったことに、プライドのありかは、人それぞれに違うから難しいのだ。

~中略~

人に好かれるしゃべり方、人を説得するしゃべり方が求められている。しかし、それだけでは不十分なのだ。相手を不快にさせない言い回しや言葉、あるいは禁句などを口にしない防衛的なしゃべりを身につける必要がある。仕事にしても、恋愛、近所付き合い、なんでもそうだが、すべて人間が絡まっている。そして、人間同士を繋ぐのが、おしゃべりである。

おしゃべりはお金がかからない。しかし、使い方によってその代償は途方もないものに膨らむこともある。おしゃべりはすぐに消えてしまう。しかし、人を殺傷する武器になることもあるのだ。どんなに気をつけていても、ついうっかり口が滑るということがある。ついうっかりの回数を極力減らし、たとえ失言しても効果的なリカバリーをすることで、良好な人間関係を保つことができる。「失言は、人間関係を一発で破壊する」 これを自覚することが大切なのだ。



●「第3章 「しゃべり方で損する人、得する人」どこが違う?」より

■なりたい自分になれる三次元的イメージトレーニング■

初めて長嶋茂雄さんにお目にかかったとき、緊張のあまり何も言えなかった。ニッポン放送のスポーツ部で野球中継を始めた頃だから、かれこれ40年近く前の話。長嶋さんは憧れの大スターだが、意外に気さくなところもある方だった。サインにも気さくに応じているが、書きながら言った。「おかしいな。もう日本国民全員に渡るくらいサインしたと思うけど」 このあたりがチャーミングですね。

ところで、日本経済新聞に掲載されていた「私の履歴書」の連載を読むと、野球に目覚めた高校大学時代からイメージトレーニングをしていたらしいことがわかる。通常運動選手のイメージトレーニングというと、バッターなら自分の腕や体の動きを頭に描いてそれを繰り返すことで、動きを体で再現する。ところが、長嶋さんのイメージトレーニングはひと味違う。ピッチャーを特定の人でイメージして、その人がどんな球をどう投げてくるかを想像しながら、それを実況中継のようにしゃべって、来た球を打ち返すといったトレーニングをしていたらしい。自分だけではなく、相手の動作や球の動き、それを打つときの自分をしっかりイメージしていたというのだ。まさに、三次元イメージトレーニング。これが天才バッターの天才たるゆえんかもしれない。なかなか相手もことまで考えて体の動きのトレーニングができない。

この三次元的トレーニングは会話に応用するといい。会話はキャッチボールなので、自分の言いたいことだけを一方的に言っていては会話にならない。相手がこう言ったら、自分はこう切り返すといったことを頭の中で繰り返して練習することで会話の基本が身につく。しかも、この三次元イメージトレーニングのいいところは、自分でなりたい自分になれるところだ。

例えば、落ちついた感じの人物に見せたければそのようなしゃべり方や声の出し方をイメージしてみればいい。その上で、それを実際に声に出して練習する。俳優がセリフを覚えるために声に出して練習するようなものだが、違いは、台本はないのでそれを自分の頭の中で作ることと、どんなキャラクターにするかを自分で明確にイメージしなければならないというところか。

これをすることで、かなりの会話の達人になれる。問題は続けられるかで、続けられる人は一流のしゃべり手になれるが、途中でギブアップすると、結局、元のもくあみ。野球と違って、会話は毎日くり返されるているので、イメージトレーニングはやりやすいはずだけど…。

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