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日本のニュース賛否両論わかる本

目次

Part1 いま気になる8大ニュース

Part2 このままでいいのか? 日本の憲法・法律

Part3 改正が求められる政治課題

Part4 変貌を遂げる日本経済の行方

Part5 崩壊する子どもと教育現場

Part6 21世紀に直面する国際・国防問題

Part7 生活の安全を揺るがす環境・医療問題

Part8 情報化社会に潜む新たな課題

Part9 男と女、家族の壊れゆく関係

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内容説明

●はじめに

社会の動きを理解するには、新聞などで報じられるニュースのチェックが欠かせない。私たちの生活を左右する政治問題や各地で発生した事件・事故など、日々数多くのニュースがメディアから流れてくる。なかでも、話題となるニュースは、ある日突然生じるということはない。たいてい、その前になにかしら関連する出来事が起こっている。

たとえば、最近「日本も核保有について議論すべき時期ではないか」と発言する政治家があらわれ物議を醸したが、これには布石となる事件がある。2006年10月に実施された北朝鮮の核実験がそれだ。このままでは北朝鮮に攻め込まれるかもしれないという国民の危機意識も、核武装論を後押しすることになったようである。

また、IT長者の登場をきっかけに騒がれはじめた格差の拡大は、バブル崩壊後の長期不況や経済のグローバル化が大きく関係しているといわれている。

このように、毎日伝えられるニュースには、背景となる出来事が必ず存在しており、それを知らなければ問題の本質は見えてこない。上辺だけを見ていても、焦点はぼやけてしまう。日本の社会が、今後どう変わっていくのかを予測するには、現在起こっているニュースを把握しておくことが重要となるのだ。

本書では、憲法改正や靖国問題、ニートの増加、飲酒運転などの政治・社会的な話題から、温暖化。地上デジタル放送、メタボリック症候群などの身近な話題まで、日本を騒がせているさまざまなニュースを取り上げ、図版をまじえてわかりやすく解説している。本書が、日本の“いま”と“これから”を理解する一助となれば幸いである。



●「Part1 いま気になる8大ニュース」より

■痴漢冤罪~満員電車のなかで突然犯罪者にされる恐怖■

日本のサラリーマン社会が生んだ悲劇というべきなのか、それとも多くの男性が罪を重ねてきたツケを不運にも負わされてしまったのか。電車内で痴漢と間違われて逮捕され、冤罪で苦しむ男性が増えている。通勤ラッシュの時間帯、電車はスシ詰め状態になる。体が密着するのをいいことに、女性の体に触れて暗い欲望を満たす卑劣漢に対して、数え切れないほどの女性がこれまで耐え忍んできた。

しかし、最近はされるがままにならず、勇気を出して告発する女性が少なくなく、痴漢の検挙者は増えた。その一方で痴漢冤罪で逮捕される男性も注目されることになったのである。誤認逮捕なら、堂々と無実を訴えればいいのではないか、と単純に考えてはいけない。多くの場合、卑猥行為の容疑者となった男性は、駅員により駅の事務室へ、そして警察へと連行されて行く。無実を訴えても勾留され、自白を求められて延々と尋問が続く。

すると、なかには早く解放されたい一心で、罪を認めてしまう男性もいる。否認を続けると、勾留期限いっぱいの20日間にわたって尋問されることになり、耐えがたい苦痛を味わわされるからだ。逆に、罪を認めれば、かつては5万円の罰金刑ですんだ。そのため、やっていなくても、認めたほうが楽だと感じた男性も多かったようだ。

~中略~

こうした痴漢冤罪が発生する背景には、警察の捜査体制や司法制度の問題があるといわれる。犯罪の捜査件数が増えているため、痴漢事件一件に時間をかけたくない警察の担当者には、きちんとした証拠固めをしないまま、自白に追い込もうとする傾向があるというのだ。

裁判所側も20日の勾留期間を認めるなど、自白させやすい環境づくりに手を貸しているという専門家の声もある。事実、痴漢関連の裁判では1998年から20件の無罪判決が出ている。これは客観的証拠がないままに、自白だけで有罪にしようとする動きがあった証拠といえるかもしれない。冤罪にされないように、痴漢が多い電車の位置を避けるなどの自衛策が必要な時代になっている。

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