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世界のニュース・ウワサの真相がわかる本

目次

Part1 アメリカ経済の行く末が世界経済浮沈のカギを握る

Part2 BRICsの本当の姿を知らずに世界経済は語れない

Part3 戦争・紛争のウラには必ず「石油」にからむ理由がある

Part4 国家の経済発展は天然資源の争奪と活用がカギ

Part5 食糧事情の変化が世界経済に及ぼす大きな影響

Part6 破壊された環境が生む新たな経済活動とは

Part7 アンダーグラウンドで活発化するヤミ経済の流れ

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内容説明

●はじめに

2006年1月、時代の寵児とされたIT企業の若手社長が証券取引法違反で逮捕された。自社の株価をつり上げるため赤字を黒字と偽ったとされ、その粉飾額は53億円にのぼるという。

こういった企業買収などにともなう株価操作や粉飾決算事件は、アメリカでも起こっている。記憶に新しいエンロン、ワールドコムの不正会計事件である。興味深いことに、日米の粉飾決算事件には「株価至上主義」「買収による成長戦略」「高株価維持のための粉飾決算」など類似点も多い。しかも、事件後の市場の株価下落という展開まで似ている。

そのアメリカだが、近い将来、世界一の経済大国の座を奪われるかもしれない。相手は中国である。2050年のGDP予想は、1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位日本となっているのだ。たしかに中国は市場経済の導入により、現在、経済成長の真っ只中にある。中国経済を牽引する上海や経済特区が並ぶ沿岸部だけでなく、新疆ウイグル自治区などの内陸地域の開発にも意欲的だ。2004年には全長4395キロにおよぶ「新シルクロード」も開通した。

これらの事業は、急成長した沿岸部との経済格差解消が目的だが、政府の新の狙いは別にある。トルコ系民族の居住地である新疆ウイグル自治区は、過去に2度独立運動を起こしている。いずれも失敗に終わったが、その後もテロが相次いだ。そこで大規模な開発により少数民族の生活水準を上げ、不満を沈静化させテロを防ごうという思惑があるのだ。

このように、各国が抱える経済問題のウラには、それぞれの世界情勢や国内事情が複雑にからんでいる。したがって、その真相を知らずして世界経済は理解できないといっても過言ではない。しかし、逆にいえば、背景や基本的な経済のしくみさえおさえれば、おもしろいように世界経済の真相が見えてくるようになるだろう。

本書では、いま世界経済を知るために必要だと思われる基本テーマを取り上げ、開設している。図解を多く入れ、経済が苦手という人にも手にとりやすい内容とした。本書が「経済通」への足がかりとなれば幸いである。

●「Part4 国家の経済発展は天然資源の争奪と活用がカギ」より

■中国とインドとロシアが急速に接近しているわけ■

大国だけに対立も多かったが…

中国とインド、中国とロシアは、これまで対立が多かった。大国同士で国境を接しているため、警戒心を持ったり、国境紛争が起こったりして、互いに仮想敵国とみなす傾向があったようだ。ところが、この3か国が、近年、急速に接近している。

2005年6月、中国の李外相、インドのシン外相、ロシアのラヴロフ外相が、ロシアのウラジオストクで三国外相会談を開いたのだ。国際的な式典以外でこの3か国の外相が集まったのははじめてだというので、世界の注目を集めた。何のための会談だったのか、発表されなかったが、石油が関係しているとみられている。

中国とインドは、近年、急速に経済成長しているため、エネルギー資源の需要が増えた。かつて中国は日本に石油を輸出していたが、国内の石油生産の3割を占めていた大慶石油が枯渇したため、それも途絶えた。すでに中国の石油消費量は、アメリカに次ぐ世界第2位で、インドも20年後には中国なみの消費量になると予測されている。

両国とも世界有数の石炭資源を持っており、それが世界1位と2位の人口や経済成長を支えてきたのだが、もはや自国のエネルギー資源だけでは足りない。いまや両国とも石油輸入国であり、将来的にはさらに輸入量が増えるのは目に見えている。

この両国に対して、ロシアは豊富な石油資源を持ち、資源開発にも積極的で、近年輸出が伸びている。中国もインドも、隣国ロシアのエネルギー資源はのどから手が出るほどほしい。将来を見据えた、この需給関係が、中印露を結びつけているようだ。

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