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化粧品業界知りたいことがスグわかる!!

図解でスッキリ! 激変する流通・販売・ブランド戦略―コスメビジネスの最新動向が一目で見てとれる本

目次

第1章 国内大手メーカーの動向

第2章 変わりゆく化粧品流通

第3章 カウンセリング販売の行方

第4章 新興勢力、ドラッグストアとコンビニ

第5章 明暗分かれる無店舗販売--伸びる通販、低迷する通販

第6章 進む異業種参入

第7章 外資系ブランドの動向

第8章 メイクアップアーティストブランド

第9章 化粧品テクノロジー最前線

第10章 化粧品業界のニューウェーブ

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内容説明

●はじめに~いま、もっともエキサイティングなビジネス=コスメビジネス

化粧品をめぐるマーケットが活況を呈している。市場規模自体は低調なのだが、横ばい状況のパイのなかで熱い戦いが繰り広げれられているのだ。その熱気を端的に示しているのが、新しく誕生する大規模商業施設のテナント構成である。

最近の例でいえば、2005年11月に松屋銀座が化粧品フロアの大リニューアルを実施した。20年ぶりの改装にあたって、1階のバッグ売り場を2階に移し、化粧品売り場面積を従来の1・5倍にあたる約600平方メートルに拡大。ブランド数は11増えて計36ブランドとなった。売り場規模、ブランド数ともに銀座地区では最大である。

改装の一番の目玉は、天然成分にこだわった自然派化粧品を世界各国から集めたスキンケア売り場・ギンザビューティ「イン」だ。LOHAS(ロハス)の思想を背景に、日本初上陸となるフランスの「パティカ」、モナコの「「ダニエル・ドゥ・ウィンター」のほか、オーストラリアの「イソップ」、ハンガリーの「ジェナティック」などを導入したこの売り場には、コスメクルーと呼ばれる美容相談員が常駐し、顧客の相談に応じている。ターゲットは、環境意識の高い20代~30代の女性たちだ。また、「シャネル」「クリスチャン・ディオール」の新コンセプトのコーナーや、メンズコスメの売り場も話題を集めている。

伊勢丹も、本館1階や地下2階で化粧品を展開するだけでなく、美容サービスにウエイトを置いた新館を次々にオープン。トータルでの美の提案に力を注いでいる。

とにかく、いま女性をターゲットとする商業施設において、化粧品関連のショップやサービスの強化は必要不可欠。しかも、単なる表面的な美しさにとどまらず、心と体のトータルな美しさを提供するテナントを充実しなければ女性の支持を得ることは難しい。

さらにいえば、身だしなみを整え、美容に気を配る男性が増え、高齢の女性も小中学生も化粧や美容に高い関心を抱いている。これまでは男性が主要客とみなされてきたコンビニも、化粧品の品揃えに力を入れている。「キレイになりたい」という意識は、年齢や性別を超え、チャネルを超え、従来の枠を超えて確実に広がっているのである。

本書は「化粧品」の動向を紹介するものだが、化粧品メーカーだけに焦点を当てているわけでは決してない。ブランドの吸収合併、ドラッグストア、百貨店など流通の現場、通販化粧品の伸び、外資系専門店の上陸、アパレルなど異業種からの参入など、「美容」を取り巻くビジネスの動向を幅広く紹介した。あらたなニュースが矢継ぎ早に飛び込んでいるためすべてを網羅するのは難しいが、それもマーケットの活気を示すものとしてご理解いただきたい。

化粧をするしない、男性女性にかかわらず、化粧品業界はいまもっともエキサイティングな動きを見せてくれるビジネスシーンのひとつである。

●「第2章 変わりゆく化粧品流通」より

■チャネル別では通販優勢■

化粧品市場を業態別で見てみよう。『週刊粧業』の「2004年度業態別化粧品販売高」調査では、化粧品店や訪問販売、量販店、理美容室が伸び悩んでいるのに対して、薬局・薬店、コンビニエンスストア(CVS)、百貨店、その他の業態が前年より数字を伸ばした。とはいえ、いずれも微増程度の数字でしかない。

薬局・薬店はマツモトキヨシに代表されるようなドラッグストアの成長で、化粧品業界での地位を固めてきたが、その伸びがようやく鈍化してきている。

CVSは、化粧品のラインアップを増やして化粧品専用コーナーを設けるなど、魅力的な化粧品が揃う店づくりを追求してきた。しかし、その動きも一段落。いまやどのチェーン店にも化粧品が導入され、一通りの商品が揃っている。CVSの化粧品売上もそろそろピークに近いとの見方もある。

「その他の業態」に含まれる通信販売は、80年代後半から急成長を遂げたが、一時期売上を落とし、再び伸びを取り戻したようだ。二大勢力であるDHCやファンケルを猛追するオルビスやハーバー、再春館製薬に加えて、ジモス、アスカなど次々に新しい勢力が台頭するのも通信販売チャネルの特徴といえよう。

いま化粧品業界では異業種からの新規参入が相次いでいるが、まず通信販売から業界に足を踏み入れるのが代表的なコースだ。小売店を構えるコストがない企業にとっても、通信販売なら着手しやすい。また、インターネットの普及も通信販売を後押ししている。ネットで化粧品を購入する行為は常態化し、携帯電話を通してのモバイル通販がすさまじい勢いで拡大していることを考えると、通信販売というチャネルは拡大の余地がまだある。

また、百貨店の動きにも注目したい。全国の主要都市に百貨店が出店し、化粧品流通で百貨店が大きな役割を果たしているのが日本市場の特徴だ。

外資系化粧品は百貨店を舞台に日本市場での地位を固め、成長を遂げてきた。「百貨店で取り扱いのあるブランド」の寄せる消費者の信頼はあついため、大手化粧品メーカーは新製品や限定品の発売はまず百貨店からスタートするところが大半だ。女性誌と手を組んでイベントを実施したり、雑誌に百貨店通販用のカタログを付録としてつけるなど、百貨店を軸にした動きはかつてないほど活発化している。

こうした事情をかんがみると、個々の店については淘汰が進んだとしても、チャネルとしての百貨店の地位が大きく揺らぐことは今後もないだろう。

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