ホーム > 熱い気持ちで働きたいなら職人になろう!

熱い気持ちで働きたいなら職人になろう!

やりたいこと・好きなことを生涯の仕事にする本

目次

第1章 素晴らしき!職人の世界
第2章 職人の魅力ってなんだろう
第3章 職人の喜びってなんだろう
第4章 どうやったら職人になれるんだろう
第5章 職人として生きていくには
第6章 職人15人からあなたへのメッセージ

このページのトップへ

内容説明

■ はじめに


この本を手に取ったあなたは、どんな方でしょうか。生き方を模索中の学生さ
んでしょうか。それとも、いまの仕事をこのまま続けていいのかどうか決めか
ねている方でしょうか。

人生の大部分を占める仕事を選ぶことって、とても重要なことだと思うのです。
それなのに、親を喜ばせるために、または生活するために、あるいはプライド
のために、しかたなく、熱くなれない、ちっとも楽しくない仕事に就くなんて、
もったいないですよね。また、なにをやっていいかわからないから、やりたい
ことがないからといって、悩む時間ももったいないと思います。

やりがいや生きがいを持って働きたいなら、悩んでいないで、まずはとにかく、
やりたいことをやってみて、懸命に自分の心と対話しながら、もがいていくの
がいいんじゃないでしょうか。自分がやりがいを持ってできる仕事ってなんだ
ろう、情熱を傾けられることってなんだろうって探していくのです。やってい
くなかで、きっと答えは出ると思います。

世の中には、たくさんの「仕事」があり、たくさんの人が働いています。その
なかに、自分の好きなことを仕事にして、これ以上ないくらいのやりがいと生
きがいを持って働いている「職人」と呼ばれる人たちがいます。職人とは「技」
を持って、自分の腕一本で生きている人のことです。この本は、ふだんベール
に包まれている職人たちの生の声を取材して、その魅力について書きました。

職人たちの言葉を聞き、また、その姿を見ていると、自分らしい生き方を模索
している若い人たちに対し、「熱く生きたいんだろ? かっこいい仕事がした
いんだろ? だったら職人という生き方はいいぜ!」というメッセージを感じ
ます。真剣に生きたい、真剣に働きたいという若者たちに、彼らの言葉を届け
たい、彼らの姿を見せてあげたい、そんな気持ちで、この本を書きました。

自分の底力を信じてください。熱く生きたいのなら、自分は絶対なにかできる、
やりたいことがある、人を感動させられる、夢は叶う、成功すると信じ、自分
の夢や思いを追いかけてください。

この本を読み終わったとき、あなたはきっと動き出すにちがいありません。

2005年1月                       きもとえいこ



■「第2章 職人の魅力ってなんだろう」より


★自分の仕事が正当に評価される★

■自分が働いた分だけ報酬がもらえる

サンリオのキャラクター、キティちゃんは誕生から30年近くたちますが、一時
期ほどではないにせよ、人気はいまだ衰えを見せていません。こんなにロング
セラー?のキティちゃんのデザインを担当した人は、さぞやお金持ちになった
のでは?と思いきや、サンリオの社員だったため、給料分しかもらっていない
そうです。

サラリーマンとして会社で販売する商品のデザインをした場合、著作権は社員
個人ではなく会社に属するのが普通です。その商品が大ヒットになったとして
も、多少ボーナスが増えたり、査定が上がるかもしれませんが、著作権使用料
その他で、その商品が稼いだ分がそのまま自分の収入に結びつくことはありま
せん。

他にも、ほとんど仕事らしい仕事をしない同僚とノルマをきちんと果たしてい
る自分とが同じ給料であったり、同じ仕事をしていても短大卒のために大卒の
同期より給料が安かったり、といったことが会社勤めではよくあります。こう
いうことが積み重なると、仕事のできる人はやりがいをなくし、転職したり、
独立していきます。

その点、職人は、「技」だけで勝負できます。学歴は関係ありませんし、自分
の「技」が評価を受けた分だけ収入に反映されます。

ホイッスル職人の野田さんがつくるホイッスルは、欧米で高い評価を得ていま
す。日本では学校やスポーツ以外にホイッスルの需要があまりありませんが、
欧米では軍隊や学校、小売店、ガードマンなど、いろいろな場面でホイッスル
が一年中使われています。ホイッスルが広く使われているということは、それ
を供給しているメーカーがあるということに気づき、欧米への販路を拡げてい
きました。あとから参入した、しかも東のはずれの島国・日本からやってきた
野田さんは、いわば得体の知れない新参者でしたが、すでに市場にあったさま
ざまなホイッスルを研究しつくし、それらに負けない吹きやすさと音の良さを
追求し続けた結果、野田さんの「技」が認められました。そしてそれがストレ
ートに収入に反映されています。

もし野田さんがホイッスルを製造・販売する会社の開発部に所属するサラリー
マンだったら、こうはいかなかったでしょう。

■自分の「技」を自分で売り込むことができる

一般に会社では、つくる人(製造部門)と売る人(営業部門)は別々です。そ
のため、製造部門の人がどんな気持ちでその製品をつくったのか、つまり「製
品づくりの熱意」をお客様に正確に、ダイレクトに伝えるのはなかなか難しい
というのが実情です。しかし職人は、自分でつくって、自分でお客様に売るの
が基本です。ですから、作品の良さだけでなく、つくる際の「思い」までをも
伝えられるのです。

フレグランシストの菊地さんは、お客様にアンケートを取り、お客様それぞれ
に合った香りをつくりだす職人です。しかし、このようなプロのフレグランシ
ストは現在、日本にあまりいないため、この仕事自体、あまり世間に知られて
いません。

そこで菊地さんは、自身のホームページをつくって宣伝するだけでなく、みず
から企画を立ててウェディング会社などに営業にいきます。たとえば、結婚す
る方が招待客に配るノベルティとして香りを贈るようにしたらなど、オリジナ
ルの切り口を考えて提案しているのです。

空間デザイナーの佐々木さんも、事務所の近くにあるブティックに飛び込みで
営業をしたことがあります。その店の前を通るたびに、「ウィンドウのガラス
面に花を描いたり工夫すれば、もっと店の感じが良くなるのになあ」と感じて
いたので、あるとき思い切って、提案してみたのです。すると店のオーナーは、
はじめは驚いていましたが、空間デザインに対する佐々木さんの「思い」を感
じ、ペイントを依頼しました。その結果、店の売上が上がったそうです。

このように、実際に自分で営業にいき、「自分の作品に込めた思い」を伝え、
それを買ってくれた人が感動してくれる体験が味わえるのがプロの職人です。

しかしそのためには、ただお客様に合わせるだけでなく、ちょっとしたひと工
夫も必要です。それがないと、お客様はお金を払って商品を買ってはくれませ
ん。逆にいうと、ひと工夫の提案ができないと、プロにはなれないともいえる
のです。

■お金はあとからついてくる

サラリーマンは、勤めている会社の経営がよほど悪い場合を除いては、多少仕
事ができなくても、給料が出ないことはまずありません。そのため、よほど意
識を高く持たなければ、自分を磨こうとしないままに月日を過ごしてしまいが
ちです。しかし職人は日々評価を受ける毎日を送っていますから、「技」の向
上のため、自分磨きを怠りません。パッケージデザイナーの篠原さんは、

「いい仕事をするには、その仕事のための投資が必要です。投資を惜しむ人は
職人にならないほうがいい」

といいます。つまり、良い道具を揃える、新しいものを試す、参考になるもの
を見聞きしたり触ったりするといった、自分の技を磨くための投資を惜しんで
はならないということです。

もちろん、だれでも少しは、大きな家に住みたい、クルマを買いたい、年に何
回か海外旅行にいきたい、ブランド品に囲まれた暮らしをしてみたい、金持ち
になりたい、と思う気持ちがあるでしょう。それなのに、仕事をするための投
資として多くのお金をかけなくてはならないのなら職人にならなくてもいい、
と思うかもしれません。

しかし、本当にしたいことよりも給料の高さで仕事を選んだとしたら、本当の
しあわせは掴めるのでしょうか。仕事はたんなる「金儲けの手段」ですか?

職人には、たんに金持ちになりたいから仕事をしているという人はいません。
金儲けのことだけを考えていたら「技」は確立できないからです。

「職人になりたいのなら、好きなことがこれだけで、他のことはどうでもいい
というぐらい夢中になってほしい」

と篠原さんはいいます。貧乏でもかまわないから「好きな仕事をしたい」とい
う気持ちになれるかが重要なのです。

修行中は、先輩や上司から「やってごらん」といわれことには疑問を持たず、
やみくもに一所懸命に取り組むこと。そうでなければ「技」だけでお客様を満
足させるレベルまでには達しません。そうやって取り組めば確実に力がつき、
力がつけばお客様がつき、収入も増えてきます。お金は、「技」に応じてあと
からついてくるものなのです。アンパンマンの生みの親で有名なやなせたかし
さんだって、70歳を過ぎてから急に売れ始めたそうですよ。

1日24時間のうち、睡眠時間と食事の時間を除いた残りの時間の半分以上は
「仕事の時間」です。つまり、活動時間の半分以上は仕事をする時間なのです。
その時間を、好きなことをしてすごすのか、好きでもない仕事をしてすごすの
か。どちらが自分にとってしあわせだと思いますか?

このページのトップへ

関連書籍

いまの仕事で本当に幸せになれますか

いまの仕事で本当に幸せになれますか

本当にやりたいことを見つけて仕事にしよう

著者:中越 裕史
 
 

このページのトップへ