ホーム > サービスマインドをたかめる物語

サービスマインドをたかめる物語

「マニュアル」を超えよう、「ココロ」を磨こう

サービスマインドをたかめる物語

物語を読むうちに読者の持つサービスマインドが磨かれ育っていくビジネスストーリー。

著者 久保 亮吾
ジャンル ビジネス書 > 自己啓発 > 生き方・働き方
ビジネス書 > サービス・ホスピタリティ
ビジネス書 > 飲食店 > 接客・サービス
女性読者に人気
立ち読みPDFあります
出版年月日 2004/08/01
ISBN 9784769608387
判型・ページ数 A5・207ページ
定価 本体1,400円+税
在庫 在庫僅少
 

目次

笑顔の力
記憶の力
観察の力
推理の力
理解の力
脱力の力
応用の力
共有の力
評価の力
本質の力
主張の力
初心の力
愛着の力
奇跡の力
幾多の感動を与えてくれたサービスパーソンたちに捧ぐ ―― あとがき

このページのトップへ

内容説明

 

全14話のなかから冒頭の2話「笑顔の力」「記憶の力」を完全収録した立ち読み版PDFあります。
http://www.kou-shobo.co.jp/news/n1529.html

 


 

■ 概要

舞台は、とあるレストラン。新しくマネージャーになった町田は、この店をもっと「いい店」にしようと奮闘していた。そんなときにオーナーがどこかから連れてきたのが寺さん。一見フツーのおじさんだが、寺さんの行動にはいつも、町田たちが見落としていた「サービスマインド」があふれていた……。

寺さんと一緒に働くうちにサービスパーソンとして成長していく町田やスタッフたちの姿を通じて「サービスマインド」という力が呼ぶ共感と感動を感じ取ることで、読者が持っているサービスマインドも一緒に育っていく――

ハウトゥ書、マニュアル書とはまったく違う、サービスマインドを育みたかめる「物語」。

 

 

■「笑顔の力」より

 

★優しさは圧倒的な力★

 

オーナーが、その人をはじめて店に連れてきたのは、いまから1年前。ボクがマネージャーに就いて、ちょうど3カ月後のことだった。

それまでの3カ月間というのは、ボクが人生でいちばん悩んだ期間だったかもしれない。なんとかして、自分の力でこの店をいまよりも良い店にしようと、もがき苦しんでいた時期だった。

店に入ると、オーナーが紹介するのも待たずに、その人はツカツカとボクのところまで歩みよってきて、こういった。

「はじめまして、町田マネージャー、寺野川です。“テラ”と呼んでください。今日から、こちらでお世話になることになりました。どうぞよろしくお願いします」

その人はそう挨拶すると、こちらが吸い込まれそうになるような笑顔を見せた。いままでに見たこともないほど純粋で、輝やいていて、生命力にあふれている笑顔だった。

「よ、よろしくお願いします」

ボクは圧倒されて、そう返事をするのが精一杯だった。

......................................................................

 

★その笑顔の奥にメッセージはあるか★

 

寺さんに出会ったとき、ボクには3つの驚きがあった。

ひとつ目は、あの笑顔。あの笑顔は、

「あなたに会えて嬉しいですよ」

という、彼の心の中にあるメッセージを、ボクの心にダイレクトに届けるものだった。

「やられた!」

なぜか、そう思った。

ボクだってサービス業に従事してきた人間のはしくれだ。スマイルのつくり方も、その大切さも、知っているつもりだった。

でも、気がつくと、

“来客=笑顔”

という条件反射が繰り返されているだけで、心の中にはメッセージもなにもなかった。なぜ、いま自分は笑顔になるのか? そんなことすら考えなくなっていた。

これじゃあ、パブロフの犬と同レベルじゃないか。

寺さんの笑顔にやっつけられて、はじめてそのことに気がついた。

 

......................................................................

 

★観察と直感、そこまでなら誰でもできる★

 

ふたつ目の驚きは、

「どうしてボクが町田だとわかったのか?」

という疑問からくるものだった。

うちの店では、スタッフはネームプレートをつけていない。常連のお客さんには、チャンスがあれば「マネージャーの町田です」と名のることで、ボクの顔と名前を覚えていただくようにしている。

マネージャーだけが違う制服を着ているわけでもないから、初対面ならボクがマネージャーだとは絶対にわからないはずだ。

でも、それは思い込みだったのかもしれない。表情や立ち居振る舞いを少し観察すれば、相手がどんな人物なのか、直感的にわかるのだ。

迷うことなく、ツカツカと歩みよってきた寺さん。

寺さんは自分の観察力と直感力に自信を持って、それを“行動”にまで結びつけることができる人なのだろう。

 

......................................................................

 

★先入観って、遠回りするだけ★

 

3つ目の驚きは、寺さんの年齢だ。

オーナーからは、

「今度、新しいバイトを入れるからよろしくな」

と聞いていた。ボクは、

「どんなワカゾーがくるのかな」

と思っていた。

でも寺さんは、どう見ても四十の大台を超えているオッサンだった。

はじめて会ったあの日から、今日のいままで、十歳以上も年下のボクに対する寺さんの態度には変化がない。年齢も、マネージャーという役職も関係なく、ボクというひとりの人格を尊重してくれているのがよくわかる。

はじめて寺さんを見た瞬間、ボクは、

「こんなオッサンがバイトなの!? よっぽど使えないヤツなんじゃなかろうか」

という先入観を持った。真っ白な気持ちで相手に接することができなかった。

お客さんに対しても、そうだったのかもしれない。

 

......................................................................

 

★100万の言葉より1度の笑顔★

 

かくして、驚きと喜びに満ちた1年がはじまった。

寺さんと出会えたおかげで、ボクの人生は変わったと思う。

たったひとりとの出会いで、180度考え方が変わってしまう。そんなことって、あるものだ。

寺さんから学んだこと、それは、

「サービスは“言葉”じゃない、“心”だよ」

ということ。

どんなにかしこまった言葉を使っても、心と心がダイレクトに通じ合っていなければ、なんの意味もない。

そのことを、初対面のあの日の笑顔で教えられた。

言葉を超えて、心と心がダイレクトに通じ合ったとき、はじめて人は感動するということを。

 

page image

このページのトップへ