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世界の民族・宗教のこと

ニュースの意味がまるまるわかる

目次

Part 1 ● 国際ニュースがよくわかる!
「雑学」で知る民族と宗教

Part 2 ● 世界にはどんな宗教があるのか?
宗教の「違い」がわかる!

Part 3 ● 人類はどのように世界へ広がったのか?
民族の「起源と歴史」がわかる!

Special ● 根深い対立はなぜ解消されないか?
国家・地域間の「対立関係」がわかる!

Part 4 ● 宗教と紛争はどんな関係があるか?
宗教がからむ「領土・紛争問題」がわかる!

Part 5 ● どんな国内問題に直面しているか?
民族対立で読む「国内問題」がわかる!

Part 6 ● どのような歴史を歩んできたか?
少数・先住民族の「歴史」がわかる!

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内容説明

■ 本文から


★☆★ イスラム教のスンニ派とシーア派はどう違うか ★☆★

イスラム教の宗派のうち、スンニ派とシーア派が対立しているとよく耳にす
る。

このスンニ派とシーア派はどう違うのだろうか。

まず、スンニ派は多くのイスラム諸国で信仰されている多数派の宗派で、正
しくは「預言者の慣行と共同体の合意を尊重する派」と呼ばれる。

この「共同体の合意」とは、預言者ムハンマドの死後、アブー・バクル(在
位632~34)、ウマル・イブン・ハッターブ(同634~44)、ウスマーン・イブ
ン・アッフファーン(同633~56)、アリー・イブン・アブ・ターリブ(同656
~61)の4代のカリフがイスラム共同体の合意で選ばれたことを指している。

スンニ派は、この4代が共同体の合意に基づいていたゆえに正しいと考え、
「正統カリフ4代」と呼ぶ。

これに対し、シーア派はイランやイラク、レバノンなどで信仰され、正しく
は「預言者の家系のイマームを奉ずる派」という。

シーア派は血統を重んじ、ムハンマドの家系に連なる指導者を「イマーム」
と呼んで崇める。

また、同派はムハンマドの娘婿にあたる第4代カリフのアリーを初代イマー
ムとし、初代から3代までのカリフを認めていない。

つまり、指導者を決めるのに共同体の同意を重んじるか、血統を重んじるか
の基準が、この2派の最大の違いである。

ところで、イスラム教が2派に分かれたのも、第4代カリフのアリーの死後、
後継者問題をめぐる対立が起こったことが原因だった。

シーア派は、アリーの子でムハンマドの孫にあたるハサンが次のカリフにな
るべきだと考え、スンニ派はムハンマドが唯一の預言者なのだから、血筋で選
ぶべきでないと主張したのだ。

後継者争いは、ハサンとその弟のフセインが殺されたことで決着をみる。以
降、シーア派はスンニ派と決定的に袂を分かつことになった。

その後、シーア派はアリーの血を引く歴代イマームを強く信奉し、第12代イ
マームが幼くして死去すると、「イマームは不可視の世界に隠れただけで、い
つかそこから再臨する」と考えるようになった。

このイマームの再臨を待ち望む願望はシーア派独特の世界観だ。

ただし、スンニ派との教義上の対立は少ない。両派とも啓典クルアーン(コ
ーラン)を規範とする点は同じだからだ。

とはいえ、クルアーンに次いで重視される預言者言行録(ハディース)につ
いては、シーア派はイマームの言行も含めており、大きな違いがある。

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