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社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった II 熱い気持ち編

目次

第1章 「気持ち」を伝えるには、どうすればいいんだろう
第2章 「責任を持つ」って、どういうことだろう
第3章 「夢」は実現できるんだ

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内容説明

 

前書きと第3章がまるまる読める立ち読み版PDFあります。

http://www.kou-shobo.co.jp/news/n1520.html

 


 

本文内容を耳で楽しめるオーディオブック版(パンローリング制作)のサンプルです。

 

http://www.youtube.com/watch?v=Go-4S4wc_1o

 


 

■「夢と魔法の王国」で教わった「大切なこと」の第2弾!! ―― まえがき


お待たせしましたぁ~!! みなさん、こんにちは!! 香取貴信です。どうぞよ
ろしく!!

学生時代はヤンチャばかりで、まじめになにかをしたり熱くモノを語ったりす
ることは格好悪いと、いつも冷めていた私。しかし「夢と魔法の王国」でアル
バイトを始め、そこで知り合った上司や先輩から本音の本気で関わってもらう
ことで、まじめになにかをしたり熱く語ったりすることの大切さや格好よさを、
ときに厳しく、ほんのちょっとやさしく(笑)教わり、いまでは企業教育のお
手伝いをさせてもらえるまでに成長させていただきました。あのとき知り合っ
た人たちがいなかったらと思うと……。

「夢と魔法の王国」は本当に、私自身にとっての魔法の学校でした。

前作『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』で、ど
うしようもない当時の私に、熱心に、あきらめることなく、必死になって関わ
ってくれた上司や先輩が教えてくれたエピソードをもとに「働くこと」「教え
ること」「本当のサービス」をまとめたのが2年前……。まさか「あの香取が
本を書くなんて」と、私も、まわりの人たちも、びっくりしていたことが懐か
しくよみがえります(笑)

そして今回は、「気持ちを伝える」「責任を持つ」「情熱を燃やす」というこ
とに真剣に向き合い、私に教えてくれた上司や先輩、同僚からのエピソード!!
さらにゲストの「心の声」から気づかされた大切なことなどをまとめました。
前作同様、多くのみなさんのお役に立てればいいのですが……(前作を読んで
ない人は読んでね!!)。

私が東京ディズニーランドにアルバイトとして入社したのは16歳のとき。それ
から8年間働きました。「夢と魔法の王国」で働くとはいっても、当時の私は
自分中心に考えていたので、毎日が同じことの繰り返しと感じてしまいます。
本当は非日常的な「魔法の王国」を演出しなければならないのに、気がつけば
鮮度を失い、その分、覚えた小手先の技術だけで勝負しようとしていました。

そんなとき、それを正し、「私たちにとっては同じことの繰り返しでも、いま
目の前にいるゲストにとってははじめての体験なんだ!!」と、「毎日が初演」
という気持ちを忘れないよう、ゲストのほうへ意識を向けさせてくれたのが、
私のまわりにいた上司や先輩たち。

現在でも、仕事がマンネリ化してしまいそうになったとき、この「毎日が初演」
というキーワードが、私のなかでセンサーとして働いてくれます。鮮度をいか
に高く保っていけるか!! これが私自身の賞味期限なのではないかと思います。

むかしを振り返ってみると、部下だった当時には、やりたいほうだいの私でし
たが、いざ自分がリーダーや責任者になってみると、改めて私を育ててくれた
人たちの苦労が理解できました。そんな私のエピソードが、部下をお持ちの方
や、職場のリーダー、これから社会に出る人たちにとって、ビジネスやプライ
ベートなどで参考になればと思います。

さらに今回は、夢を実現するために徹底的なこだわりと情熱を持って臨む友人
から、「情熱は不可能を可能にする!!」という大きなパワーを私自身がもらい
ました。自分の好きなことを仕事にしたり、好きなことに打ち込んでいるとき
の状態は、いつも新鮮で、まわりにいる人にやる気やパワーを与えてくれます。
そんなパワーを読者のみなさんにもお伝えすることができたら……と思い、ま
とめました。

はじめてこの本を手に取ってくださったみなさん、そして前作を読んで応援や
励ましをくれた読者のみなさん、この本のもとになったメールマガジン『テー
マパークが私の学校』のころからずっと応援してくださっている読者のみなさ
ん、こうして続編が完成できたのは、応援をしてくれたみなさんのおかげです。
本当にありがとうございます。

最後になりましたが、初校の段階からアドバイスをいただいた、「がんばれ社
長!」の武沢さん、「百式」の田口さん、「ハイネット」の角田先生、「経営
品質協議会」の玉木さん、鬼澤さん、「ティーンズ応援団長」の新間さん、
「地球探検隊」の中村隊長、その他、関わってくださったすべての方々に、こ
の本をささげます。

なお、前作同様、登場する人物の名前はすべて仮名です(かなり似てるけど)。

 

■第1章“「気持ち」を伝えるには、どうすればいいんだろう”より


★お客さまの立場に立って……?★

●サービスのトレーニングでは絶対に負けない!!●

これは、まだ東京ディズニーランドに入園券があった頃に起こったある出来事
から、私自身の教え方を見直すきっかけになったお話です。

当時、私はシンデレラ城のアトラクションでトレーナーになってから約半年が
経ち、トレーニングも何度か経験して、アトラクションのなかにも私がトレー
ニングを担当したスタッフが増えてきつつある、そんな時期だったと思います。

トレーニングでほかのトレーナーに負けたくなかった私でしたが、とくにゲス
トサービスの部分では、ほかのトレーナーよりも絶対に優れたスタッフを育て
ようと必死でした。いつでもゲストの立場に立ってモノを考え、ゲストの笑顔
に貢献でき、親しみやすく、親切で、このパークにもっともふさわしいスタッ
フになるようにと……。

もちろん、私がトレーニングを担当したのだから、サービスでは絶対にほかの
スタッフに負けないはずだという自信も持っていました。
しかし、それが崩れる出来事が……。

●しっかり説明して、理解してもらったと思っていたのに……●

その日は夏休みに入って間もない頃でしたが、来園者の数も普段より多く、パ
ークに賑わいと活気が訪れていました。私が担当するシンデレラ城のアトラク
ションも朝から30分以上の待ち時間ができ、ピークには45分ぐらいの待ち行列
ができていました。

このアトラクションでは、城内を案内するガイドが何人か交代で待ち行列のと
ころに立ち、これから並ぼうとするゲストに現在の待ち時間を案内したり、城
内でのお願いやアトラクションの簡単な内容、このアトラクションで利用可能
なチケットなどを説明します。

当時は、パークへの入園とアトラクションの利用がセットになった「パスポー
ト」と、パークへの入園だけができる「入園券」の、2種類のチケットがあり
ました。当然、入園券でパークに入ったゲストがアトラクションを利用すると
きには、アトラクションチケットを別に購入して、入り口でスタッフに渡して
くれるようにお願いをします。

その日はトレーニングが入っていなかったため、通常どおりスタッフと一緒に
私もポジションに入り、ローテーションをまわります。私の担当は、アトラク
ションの入り口で、人数を確認して、グループをつくるというポジションでし
た。

いつものように人数を確認し、グループをつくり、アトラクションに入る前の
準備をしてもらいます。

「お待たせしましたぁ~!! お連れの方はおそろいですか? お手元にチケッ
トのご用意をお願いします。こちらのアトラクションで使えるチケットは……。
それではご入城です!! 行ってらっしゃぁーい」

こうして、いつものようにゲストを見送り、次に入城するための人数調整を始
めようとした、そのときでした。いったん入城したはずの、お婆ちゃんとその
孫らしき少年の2人連れが、見送ったはずの扉から出てきます……。

「えっ!! あれぇ?」

「香取さん、そちらのお客さま、入園券だったんですよ。お願いします」

「あっ、わかった」

自分ではしっかりチケットのことも説明して、理解してもらってからゲストに
入城していただいたと思っていたのですが、どうやら、そのお婆ちゃんには通
じていなかったのです。

●すみません、こういったところははじめてで……●

私は通常の手順どおり、そのゲストに説明します。

「お客さま、申し訳ありませんでした。じつは、お客さまのお持ちのチケット
は入園券でしたので、ご利用の際にはアトラクションチケットが別に必要だっ
たんですよ。お手数をおかけして申し訳ありませんが、あちらのチケット売り
場にて……」

「いやぁ、本当にすみませんねぇ。私も孫も、こういったところははじめてで
……」

「お客さま、謝らないでください。わかりにくいのは、こちらの責任ですから。
まことに申し訳ないのですが、あちらのチケット売り場で……」

「いやぁ、本当にすみません。お手間を取らせてしまって」

「いや、あの、お婆ちゃん。あちらでアトラクションチケットをご購入いただ
ければ、もう並ばずに、ここから入れますから。お手数ですが、あちらの……」

「もういいんですよぉ。本当にすみませんでしたぁ」

チケットさえ買ってきていただければ並ばずに入れることを何度も説明するも
のの、2人は足早にその場を立ち去ろうとしていました。そしてとうとう、お
婆ちゃんと少年は、何度も頭を下げながら、パークのなかに消えていってしま
いました。

……無理もありません。

いったん入城しておきながら、チケットが違うために外に出され、出された場
所には次の入城を待っている大勢のゲストがいるわけです。お婆ちゃんにとっ
ては、それがプレッシャーとなり、きっと自分のせいで私たちを煩わせてしま
ったと、責任を感じていたのだと思います。

すぐに代わりのスタッフにその場を頼んで、ゆっくり説明しようと思ったので
すが、まわりにスタッフが見当たりません。そして、なにもできないまま、私
はその2人を見失ってしまったのです……。

悔しくてたまりませんでした。
どうしてこうなってしまったのか……。

次の休憩のときに、ほかのスタッフにも手伝ってもらい、お城のまわりを探し
たのですが、とうとう、お婆ちゃんと少年の姿を見つけることはできませんで
した……。

●謝んなきゃいけねーのは俺たちじゃねーのか!!●

その日の終礼で、私は涙ながらに、悔しさをスタッフにぶちまけてしまいまし
た。

「……なんでお婆ちゃんが謝んなきゃいけねーんだよ。お婆ちゃんに理解でき
るように説明しなかった俺たちが悪いんじゃねぇのか?
謝るのはお婆ちゃんじゃねぇ、俺たちじゃねーのかよ!! あのときの待ち時間
は45分もあったんだぞ!! 待ち行列のところで本当におまえら説明してたのか
よ(怒)」

「でも、私たちだって、ちゃんと説明してました!!」

「相手に伝わんなきゃ、説明でもなんでもねーんだよ(怒)
いつもいってんだろう、ゲストの立場に立って考えろってよぉ(怒)」

「……」(一同)

「まぁ、ほら香取も、あんまり熱くならないで、もっと冷静に話をしないと…
…。
みんなだって香取と同じ気持ちだって!!」

「っでも、外井さん……」

「だから、冷静になって!!
まずは、みんなで手順を見直そう!! 万が一、また間違って入園券の人がいた
らさぁ、アトラクションを体験してもらってからチケット買ってきてもらえば
いいんだから!!
ねっ!! これから、みんなも同じようなことがないように、説明だってちゃん
とやるって!! ねぇ?」

「はぃ」(一同)

とりあえず終礼は終わったものの、私は、自分がいままで教えてきた結果がこ
のようになってしまったことに悔しさを感じ、この怒りをどこにぶつけていい
のかわからないまま歩いていました。

すると先輩トレーナーの愛原さんが、うしろから声をかけてくれたのです。

「香取、元気だせよ!!」

「あぁ、愛原さん。俺、悔しくって……」

「みんな、おまえと同じ気持ちだから、大丈夫だって!!」

「はぁ……」

●その先にあることを教えないと伝わらない●

「それより香取さぁ、さっきおまえがいってた『お客さまの立場に立って考え
ろ』って、あれはアバウトすぎるぜ!!」

「えぇ、なんでですか!!」

「ほら、おまえ、教わんなかったか? 教えるときは、抽象的じゃいけないっ
て?」

「……あぁ、教わったようなぁ……」

「ほら、むかし、外国人トレーナーがいたときに、アメリカでは文化も人種も
違うから、抽象的に教えてもむりだって!! 今回みたいに『お客さまの立場に
立つ』って、それだけいったって伝わらねーよって!! 日本人も同じで、世代
や年齢が違えば人種が違うのと同じだから、きちんとその先にあることを教え
ろって、教わったろう?」

「あぁ……でも……」

「だから、今回のことも、いい教訓だったんじゃないの? これから俺たちが
教えるときに、こんなこともあったから、たとえばお年を召したお客さまの場
合には、もっとわかりやすく時間をかけて丁寧にとかさぁ。それが子供たちだ
けだった場合には、こんなところに注意しようとか、そうやって教えようって
ことじゃん。そしたらきっと、今日の2人には申し訳ないけど、同じ失敗はな
くなるよ。
それに、最後にチケット確認できなかったのは、おまえも一緒なんだから(笑)」

私はすっかり忘れていました。
振り返ってみると、ゲストサービスを教えるところでは、いつも『お客さまの
立場に立って考えるんだぞ』で済ませていたことが多かったのです。

ひと言で『お客さまの立場に』といっても、私が考えるお客さまの“立場”と、
私以外の人が考える“立場”では、それぞれ違うのです。なのに、いつも決め
台詞のように、この単語で済ませていたことを反省しました。

この事件をきっかけに、私自身の教え方を見直してみました。いままで決め台
詞のように使っていた「お客さまの立場に立って考えよう」という言葉を使う
のをやめ、一つひとつの手順がある「その意味」のところまで、深く説明する
ことにしたのです。

「いいかぁ、このポジションで説明しなくちゃいけないのは、アトラクション
で使えるチケットを用意してもらうことなんだよ!! じゃぁ、なんで事前に説
明しておかないといけないんだと思う?」

「はい、説明しておかないと、せっかく並んだのに、チケットがなくて困るか
ら」

「うん、そうだよな。じゃぁ、困らないように説明をするには、どんなふうに
すればいいと思う?」

「えっとぉ……。ゲストが理解しやすいように……ですか?」

「そうなんだよ!! 俺たちはさぁ、“アトラクションチケット”っていえばど
ういうものかわかるし、“パスポート”もわかるけど、はじめての人にとって
は、なにがなんだか、わからないかもしれないもんな!!
だから、並んでいる大勢のゲストに説明しながら、その一人ひとりの表情を意
識して、ちょっとでも不安そうかなって人がいたら、説明のあとで何気なく、
理解してもらえたかどうかを確認しておくんだよ!!」

「ハイ!!」

「結局さぁ、入り口まで長い待ち時間を並んで、やっとこれから入れるってと
きに煩わせるようなことがあったら、せっかくのゲストの気持ちが冷めちゃう
よね。それに、余計なプレッシャーを与えたくないだろう? だから、ゲスト
一人ひとりに丁寧に確実に!! これがゲスト一人ひとりの立場に立って考える
ってことなんだよ!!」

「わかりました!!」

このようにトレーニングをすることで、それまでは「説明をする」ということ
が目的のようになっていたのが、目の前にいるゲスト一人ひとりに意識が向く
ようになりました。

そして以前よりも、その先にある「本当の意味」でゲストの立場に立ってモノ
を考えられるスタッフに、みんなも、そして私自身も、成長することができた
と思います。

それまで、ほかのトレーナーには負けないと思っていた私でしたが、愛原さん
のひと言で教えることの奥深さを再確認した、目からうろこの体験でした。

 

 

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