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プロが教える決算書を見れば「儲かる株」は見分けられる

決算書をこう読めば「有望銘柄」と「売買タイミング」が見えてくる!

目次

第1章 株式投資成功のコツ
第2章 投資先選定のための決算書分析
第3章 投資対象会社の決算書の種類と入手方法
第4章 決算書を使った伝統的な経営分析のしかた
第5章 新会計基準と決算書分析
第6章 有価証券報告書の記載事項と株価への影響
第7章 決算書から投資尺度を計算する
第8章 値頃感をつかめば買い時が見える
第9章 割安株投資を実践する

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内容説明

■「第1章 株式投資成功のコツ」より

★株式投資のリターンとリスクとはなにか★

■投資の目的はリターンを得ること

株主になって総会に出席し、議事に加わる。株主優待の権利を手に入れる。
インフレによる目減りから資産を守るために資産の一部を株式で保有する(インフレヘッジ)。活きた経済の勉強に役立てる。――こうしたことも、もちろん株式投資の目的となりますが、多くの人にとって株式投資をする最大の目的は、やはり「儲ける」ことでしょう。

株式投資では儲けのことを「リターン」と呼ぶことが多いので、ここでもそう呼ぶことにします。

多くの個人投資家にとって「株式投資の目的はリターンを得ること」、ということができるでしょう。

■リターンの中味はふたつに分かれる

株式投資のリターンの中味は、インカムゲイン(配当金収入)とキャピタルゲイン(売買差益)のふたつに分けることができます。

そのほかにも、株主優待で手に入れたクーポン券などを換金して収入にするといったこともあるかもしれませんが、どんな株にも共通する収入という意味では、インカムゲインとキャピタルゲインの合計が株式投資から得られるリターン、ということになります。

■リターンはどこから来るか

株式の配当金は、会社の配当可能利益(その中心は当期未処分利益)から支払われます。

株式会社は、事業活動をして利益をあげ株主に配当金を支払うことをめざして経営されます。配当金という株式投資のインカムゲインは、会社から来るのです。

一方、株式投資におけるキャピタルゲインは、株の売りと買いにおける株価の差で決まります。

株を安く買って高く売る、または高いところで信用売り(信用取引制度を使って、保有していない株を借りて売ること)して安くなってから買い戻す。キャピタルゲインは基本的に、このふたつから出てきます。

逆に、高く買って安く売る、または安いところを信用売りして高くなってから買い戻すということをやれば、キャピタルロス(損失)になります。

株式市場に上場されている株の値段は変動します。その変動によって株式投資ではキャピタルゲインかキャピタルロスのどちらかが生じます。

株式投資のリターンのうち、インカムゲインが会社から来るのに対して、キャピタルゲイン(あるいはキャピタルロス)は会社からではなく、株式相場から来るということになります。

■株式投資のリスクとは

会社が損失を出すと、配当可能利益が乏しくなって、配当金が減ったり、支払われなくなったりすることがあります。減配とか無配転落というリスクが株式投資のインカムゲインにはあります。

また、キャピタルゲインは、株価が上昇方向に動いたときに株を買うか、下落方向に動いたときに信用売りすると得られますが、株価が逆に変動すればキャピタルロスになります。株価の変動は事前にはわかりませんから、キャピタルロスになるリスクがあるということになります。

インカムゲインにせよキャピタルゲインにせよ、株式投資のリターンにはリスクがつきものなのです。

■リターンとリスクを意識する

インフレによる元本の目減りというリスクは別問題として、預金や貯金のようにリスクがほとんどないもののリターン(金利収入)は、小さいのがふつうです

値動きのある株には、大きなリターンがあるかもしれませんが、同時に大きなリスクもあります。

リターンとリスクを意識し、両者の釣り合いを常に考えることが、ことのほか重要だというところに、株式投資の特徴があります。


■「第2章 投資先選定のための決算書分析」より

★なぜ決算書の分析が必要なのか★

■納得のいく投資先を選定するため

一般の投資家は、投資先の選定のために決算書を入手して、それを分析するということは、まずしないでしょう。

投資対象会社の決算書分析を行なっているのは、証券アナリストなどの一部の専門家くらいです。

決算書分析の必要性を感じている投資家でも、専門家の分析結果を見て、それを信じ、投資判断の材料としている場合がほとんどでしょう。

しかし、公表される専門家の分析結果は分析担当者の主観が入ったものであり、必ずしも客観性があるとはかぎりません。

また、すべての会社について専門家の分析結果が見られるわけでもありませんし、分析結果が出ていても、対象会社のすべての側面について分析しているわけでもありません。

自分で納得のいく投資先を選ぶには、やはり自分である程度の分析をする必要があるでしょう。

自分で分析してから投資をするという作業を繰り返すことで、経験則から自分なりの投資基準ができあがり、失敗の少ない投資ができるようになるのではないでしょうか。

■分析対象となる決算書

ひと口に決算書といっても、その種類はいろいろあります。

なかでも投資家として利用価値が高いのは、決算短信と有価証券報告書でしょう。

株主総会の添付資料である計算書類や決算公告は、情報を入手できるタイミングが遅いし情報量も少ないので、できれば決算短信と有価証券報告書を入手して分析しましょう。

もっとも情報がはやいのは決算短信です。これには予想数値も記載されていますし、その予想数値に変動があったときも発表しなくてはならないことになっています。

株価は予想数値に反応するので、決算短信や業績予測修正の発表があると株価が大きく変動することがあります。ただ、予想数値はあくまで予想ですから、それを100%信頼して投資判断をするのは危険です。

将来の数値は過去の延長線上にありますから、過去の決算数値の分析は重要です。

公表される情報のなかで、過去の決算数値についてもっとも多くの情報が記載されているのが有価証券報告書です。じっくり銘柄選びをするときにはこれを利用します。その会社の過去(主に前年度)の決算を詳細に分析して、自分なりに、その会社の将来予想を立てるのです。

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★投資尺度を決算書の数字から計算する★

■割高・割安を判断する

株式投資を行なうときには、その会社が将来伸びる会社か、あるいは危険な会社ではないかを知ることが重要です。そのために前項で紹介したような分析を行なうのです。

また、それと同時に、買おうとしている会社の株価が割安なのか割高なのかということも重要です。

その会社に対する投資家の期待が大きすぎると、株価は割高な水準になります。

いくら将来業績が伸びていく会社でも、割高な水準で投資したのでは、キャピタルゲインを得ることはできません。割高な水準は、いずれ調整されるからです。

この割高、割安といった株価水準を測るのがPER、PBR(第7章参照)といった投資尺度です。そして、これらの投資尺度の算出には、貸借対照表や
損益計算書などの決算数値が欠かせません。

会社が公表する決算数値は、その会社の活動の結果(財政状態や経営成績)を表わしますが、その数値にいたるまでには、いろいろな過程をたどります。

ところが、PERにしろPBRにしろ、決算書のうちの最終利益や純資産といった決算数値の一部分を抜き出したものから算出されるものですから、そこに至る過程は一切関係ありません。

それに、あとで説明しますが、決算数値はある程度、操作されている数値なので、決算書類のほかの箇所も分析して、PERやPBRを自分なりに本来の姿や同業他者と同列の姿にしていくという作業が必要になる場合があります。

■PERの当期純利益は実績か

証券会社などのサービスで、会社ごとのPERを計算した結果が載っているサイトがあります。

PERの計算には当期純利益を使用しますが、その当期純利益として、前年実績を使っている場合と、予想数値を使っている場合とがあります。

どちらを使うかによって大きく数値が異なる場合もあるので注意が必要です。

■決算書の数値の確からしさ

決算書は、その作成基準にある程度の選択が認められています。したがって、たとえば1株あたり利益といっても、必ずしも同じ条件で作成されたものとはかぎりません。選択された会計処理によって、利益数値も大きく変わるのです。

また、決算数値、とくに損益計算書は、経営者の意思である程度、操作することができます。投資有価証券や土地の含み益の益だしによる調整が典型的です。

粉飾はともかく、含み益などによる利益調整は、多くの会社で行なわれています。PERで使う当期純利益は、調整後の最終利益だということを意識しておいたほうがよいでしょう。

会社が倒産すると、いつも問題になるのが粉飾決算です。公認会計士の監査で適正意見が出ていれば、ほとんどの場合、大きな粉飾はありません。

しかし、監査にはいろいろな制約があり、粉飾をすべて発見することができない(もしくは発見しても指摘できない)のが実情です。新聞記事やうわさなど、決算数値以外の情報にも注意する必要があります。

 

 

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