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社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった  新刊

そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ!

目次

 「夢と魔法の王国」は大切なことを教えてくれる「魔法の学校」―― まえがき

第1章 「働く」って、こういうことなんだ

ディズニーランドで働き始めたのは、ほんの軽い気持ちから
「怒る」のではなく「叱る」ということ
ミーティングとは話し合いでなにかを決めること。評論家は要らないんだ
たとえアルバイトでも、仕事は仕事なんだ
ユニフォームを渡してくれる「魔法使い」
仕事には、時給で考えなくてはならないものと、そうでないものがある
必要なのは実際にできること

 《「大切なもの」を本当に大切に思うこと》


第2章 「教える」って、どういうことなんだろう

最初に受けた感動は絶対忘れないんだよ
教えないことが逆にトレーニングになることもあるんだ
白さんとのはじめての出会い
怒鳴ったり叱ったりすることだけが指導じゃないんだ
いちばん大切なものだけでいいんだよ
小さいことでも見逃すと、そこからバラバラになっていくんだ
気がついたら必ずそのときに伝える

 《一緒に考えることが大事なんだ》


第3章 「本当のサービス」って、なんだろう

“一握りの勇気”も大切なサービスなんだ
本当にお客様を大切に思うなら
「うまくなる」よりも大事なこと
ゲストの「楽しい思い出」を大事にしたい
サービスは掛け算なんだ

 《いま目の前にいるゲストに全力で接すること》


第4章 テーマパークはいろいろなことを教えてくれる

自分のいっていた「サービス」って
本当の自分と直面させられる
一人ひとりにそれぞれのストーリーがある

 あとがき
 本書発行にあたって 〈SHUU研究所〉斉藤茂一

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内容説明

本文内容を耳で楽しめるオーディオブック版(パンローリング制作)のサンプルです。

 

http://www.youtube.com/watch?v=mCyYp4xCmms

 


 

前書きから第1章までがまるまる読める立ち読み版PDFあります。

http://www.kou-shobo.co.jp/files/sample/0769.pdf

 


 

まえがき

みなさん、こんにちは!! 香取貴信です。どうぞよろしく~!!
思い起こすと、東京ディズニーランドでアルバイトを始めたのが14年前。私にとっては、ディズニーランドがいまの自分を育ててくれたといっても過言ではありません。
というのも、むかしの私はただのヤンキー少年……。私が本を書くなんて、学生時代の担任の先生にいっても、「うそ~。また、なにいってんの!!」って、絶対信じてもらえないでしょう(恥)。

ディズニーランドで働くなかで私は、「働くってどんなことか」や「教育」の大切さ、そして「いま目の前にいるゲスト(お客さま)のことをいつも第1に考えるサービス」とはなにかを、ここで知りあった愛情あふれる(ちょっと怖い)上司や先輩、同僚たち、そして数多くのゲストに教わりました。そのなかには、身も凍るような恐怖体験(笑)もあれば、ユーモアあふれる発想でのコーチもあり、まさに目からウロコの体験ばかり。

そうしたさまざまな体験を通して、ヤンキー少年だった私が社会人として成長させてもらい、さらには企業の現場教育などのお手伝いをさせてもらうまでになりました。

東京ディズニーランドは、ゲストにとって、永遠に完成しない「夢と魔法の王国」です。そして、その王国で働くことになった私にとっても、ふつうの学校では教えない大切なことを教えてくれる「魔法の学校」だったのです。

そんな私の失敗体験などが多くの人たちの役に立てばと思い、メールマガジン「テーマパークが私の学校」を発行し始めました。そして今回、それを本として出版することになりました。この本が、部下を抱えていたり、これからリーダーになろうとしておられる方、「働くってどういうことだろう?」と悩んでいる方、お子さんのいるお父さんやお母さんなどに、ちょっとでもお役に立てたらとてもうれしいです。

最後になりましたが、まったく文章の苦手な私の尻をたたき、いつものように最初の読者兼校正係をしてくれた上司の斉藤さん、いつも沢山の励ましをくれたメールマガジンの読者のみなさん、本当にありがとうございました。


そして、私をいままで育ててくれた方々に、この本をささげます。
なお、ここに書かれている
ことはどれも実話です(一部、ちょっと大げさに書いてるかもしれませんが)。また、登場する人物の名前はす
べて仮名です(かなり似ているけど)。

 

 


 

[第1章●「働く」って、こういうことなんだ]より


◎たとえアルバイトでも、仕事は仕事なんだ


●ひとりぐらい休んだって、たいしたことねぇーよな●

アルバイトといっても、非常に規律が厳しい東京ディズニーランドでは、遅刻・欠勤は絶対に許されません(ほかのところでも許されないか……)。
でも、当時は私も高校生。友だちと遊んでいると、つい「サボっちゃおうか」という悪魔のささやきに乗ってしまいがちな年齢です。

その日も学校が終わり、仲のよい友だちと遊んでいました。
楽しい時間は過ぎるのがはやく、時計を見ると、あっという間にアルバイトに行かなくてはならない時間……。

「やべぇな~。俺、もうバイトだから帰るわ」
「いいじゃんよ~。バイトなんかサボっちまえよ」
「でもなぁ……」
「大丈夫だよ。バイトだろ? 学校じゃねーんだからさ」
(本当は学校サボるより難しいんだよなぁ ~心の声~)
「うーん……まぁいっか!! ひとりぐらい休んだって、たいしたことねぇーよな」

いま考えると、この安易さが、あとでとんでもないことになるのです……。

いくらなんでも「無届けはやばいだろう」と思い、遊んでいたゲームセンターの公衆電話から勤務先に電話をかけることにしました。電話に「どうか、あの怖い町丸さんが出ませんように」と願いながら……。

~トゥルルル・トゥルルル・ガチャ~

「こんにちは、運営部運営課スケジューラーの岩田です」
「あっ、あの、運営部運営課、パレードゲストコントロールの香取ですが……」
「おぉ、どうした?」
「……。いま学校で、居残りさせられてるんで、ちょっと行けそうにないんっすよ」
「そっかぁ、わかった。どれぐらい遅れそうかな?」
「えっ、遅れる?」
「うん。どれぐらいで居残り終わるの?」
「いやぁ、まだわかんないっすね」
「そうか。じゃあ、いま町丸さんいないから、居残り終わったら、もう1回電話してくれるかな?」
「(マジかよ……)はぁ、わかりました」

電話を切った瞬間に、あの怖い町丸さんの顔が思い浮かんできます。
その後も友だちと遊んでいたのですが、なにをしていても町丸さんの顔が頭からはなれず、結局30分遅刻でアルバイトに行くことにしました。

●学校を理由にすれば怒られないんだ●

私は重い足取りで、言い訳をあれやこれやと考えながら出勤しました。パークに到着し、コスチュームに着替えて現場へ向かいます。
仲間のスタッフに、町丸さんの今日の機嫌をたしかめようと話しかけると、今日の責任者は宮外さんで、町丸さんはお休みでした。
「ラッキー!!」と思う反面、「畜生!! スケジューラーの岩田さんめ、だましやがったなぁ」と思いながら、宮外さんのところへ行きました。

宮外さんに、バックの事務所で遅刻の理由などを説明し、その日は無事、勤務終了。理由が学校のことであればしかたがないということで、あまり怒られずに、“勤怠報告書”なるものを記入し、宮外さんの上の人“スーパーバイザー”に提出して帰りました。

勤怠報告書は、このパークで働く従業員全員が対象で、遅刻や欠勤などの勤怠に関して変更などが生じた場合に、その理由と今後どうするのかなどを記入する書類です。
記入したら直属の責任者と面接し、責任者もコメントを記入して、責任者の上の人“スーパーバイザー”に提出して、課内で一定期間保管されます。

この紙を1度でも書くと、その後の人事考課の際、どんなに他の評価がよくても、勤務意欲とチームワークの欄で減点対象となります。
また、この紙が累計勤務時間1000時間ごとの間で3枚以上になると顛末書(てんまつしょ)に変わり、場合によっては契約更新が不可になってしまう、恐ろしい紙なのです。

当時の私は、そんなことも考えずに、学校の理由だったら怒られないですむのかと、都合のいい言い訳を見つけ、うかれていました。
そんな気分が災いしてか、その2日後の日曜日に、“寝坊”をやっちまったのです。



●えっ、遅刻が「契約違反」だって?●

その日は学校もなく、前日の夜からオールナイトで遊びまわり、帰宅したのが朝の6時近くでした。その日のバイトの時間はお昼から夜までだったのですが、目が覚めたときには、なんともうバイトの時間……。

言い訳を考えたのですが、今日は日曜日で、学校があるはずもありません。しかたなく、震える指で電話をし、すぐさま支度をしてバイト先に向かいました。

私を待っていたのは、普通の顔の町丸さんでした。絶対怒鳴られると思った私は、怒鳴られる前に、あーでもない、こーでもないと、嘘でかためた言い訳を連発します。

ひと通り言い訳をして、おそるおそる顔をあげると、なんとも感情のない、能面のような町丸さんの顔がありました。

「では香取さん。もう言い訳はいいですから、こちらでお話しましょう」
「はっ、はい」(なんなんだ? この冷静で、冷ややかな話し方は……)
「では、そちらにお座りください。最初に、これが、おととい香取さんが遅刻をしたときの勤怠報告書です。間違いありませんね」
「はぁ」
「おととい遅刻をされて、また本日も遅刻ですか……」
「いえ、おとといは学校の居残りで……」
「本当ですか?」(ギラ!! 鋭い目が私へ)
「は、はい」

「理由はどうあれ、遅刻は遅刻です。今回で2回目ですね。これは立派な契約違反なのですよ。わかりますか?」
「け、契・約・違・反って……」
「はい。香取さんは、この期間中に、この時間であれば勤務できるということで、会社と契約をしたわけです。
しかし、理由はどうあれ、その契約が守れなかったのは事実ですから、契約違反です。したがって、ここにネームタグ(名札)とIDカード(社内での身分証明証)を出してください」
「でも、おとといのは学校の居残りがあって、それで……」
「香取さんの学校のクラスには大島さんがいますよね」
「(ドキッ)えっ!!」

●やさしい人には嘘をつくのか!!●

そうです。私のクラスの大島君も、このパークの違う場所でバイトしていたのです。どうやら町丸さんは大島君に、おとといのことをたしかめていたのかもしれません。

「すっ、すみません。おとといのは嘘です。ごめんなさい」
「べつに謝らなくてもいいですよ。宮外さんはがっかりするでしょうが……。まぁ理由はどうでもいいんです。
ここに退職手続きの書類と、その説明書きの書類があります。あらかじめ退職手続きの書類には私の印鑑を押しておきましたから……」
(ほ、本当に町丸さんの印鑑が押してある。この人、本気だよ……)
「さぁ、あとは香取さんがご記入くだされば、すべて終了ですから」

ふだん見たことのない町丸さんです。感情を出さない淡々とした丁寧なしゃべり方が、かえって私には恐怖に感じます。「このままでは本当にクビになる」、そう直感しました。

「ごめんなさい。本当にもうしませんから。クビにしないでください」

ここでやっと、ふだんの怖い町丸さんに戻りました。

「おまえ、ふざけんじゃねぇーよ!! なんで嘘つくんだよ!! やさしい人には嘘つくのかよ!! 宮外さんや岩田さんは、お前のいったこと信じてたんだぞ!! 人によって態度変えやがって!!
それに昨日も、ほかの仲間と夜中に遊んでたんだろ!! それで起きられませんって、当たり前だろ!! 起きられないんだったら、はじめから寝るな!!
死ぬまでここで反省してろ!!」

言葉も出ませんでした。町丸さんのいうとおりでした。当時の私は学校でもそうでしたが、やさしい先生や上司の場合、それをどこかで感じ取って、馬鹿にしたり、態度を変えていたのです。

●1000円、1500円、2000円の目覚しがあるけど、どれにする?●

その後、おとといの勤怠報告書を正直に書き直し、本日の勤怠報告書を持って、町丸さんのところへ行きました。
すっかり反省しきった私に対して町丸さんも、それ以上のことはなにもいわず、ただ「おとといのことを宮外さんと岩田さんに謝ってこい」とだけいわれました。

宮外さんと岩田さんに謝り、最後に本日分の勤怠報告書を持って、町丸さんのところへ戻りました。

「惜しかったな、これでおまえをクビにできると思ったのに……。でも、これで2枚目だから、もう1回でリーチだぞ!!」
「はい。すみませんでした」
「今日のは、寝坊だったよな。おまえ、目覚まし時計、何個ある?」
「えっ? 2個ですけど……」
「そうか。じゃあ、このなかから好きなの選べ!!」

町丸さんが引き出しを開けると、そこには新品の目覚まし時計がたくさん入っています。どれも違う種類のものが……。

「これ、くれるんですか?」
「ばか、売るんだよ!! これが1000円で、こっちは1500円。これは2000円。どれにする?」
「えっ、……じゃあ、この1000円のやつ」
「はい、毎度ありがとうございます。代金は給料日に持ってきてくださいね……」
「はぁ」

じつは、町丸さんは寝坊で遅刻したスタッフに売るために、あらかじめ目覚まし時計をたくさん買っておいたのです。~実話ですよ~

このあと、私が退職するまでのあいだに、目覚し時計は2個増えました……。(代金払ったっけ??)

しょせんアルバイトと甘く考える私に、アルバイトでもきちんとした組織の一員なのだということを遅刻の面接で怖いくらいに教えてくれた町丸さん。きっと、普通に指導しても効き目がないことがわかっていたのかもしれません。
おかげで私は、アルバイトだろうがなんだろうが、仕事は仕事なのだと理解できたのではないかと思います。

2度と寝坊で遅刻しないようにと、目覚まし時計まで“売ってくれた”その心づかいにも感謝します(笑)。

 

 

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