ホーム > ヒトにしかできない接客 ロボットでもできる接客

ヒトにしかできない接客 ロボットでもできる接客

ダメダメだった僕らのお店が笑顔であふれる場所になれた理由

ヒトにしかできない接客 ロボットでもできる接客

売上が低迷するオープン4年目のレストランを舞台にした、「接客のココロ」を揺さぶり引きだすビジネスストーリー。

著者 工藤 昌幸
板野 太貴
ジャンル ビジネス書 > サービス・ホスピタリティ
ビジネス書 > 飲食店 > 接客・サービス
一般書 > 読み物
出版年月日 2014/05/10
ISBN 9784769611233
判型・ページ数 4-6変・240ページ
定価 本体1,380円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 プロローグ
第1章 ある日「笑顔亭」にひとりの男がやってきた
第2章 笑顔亭をみんなの力で支えてください
第3章 環境をつくるのは私たち店長の仕事なのよ
第4章 やだやだやだ! あのおにいちゃん、おこってる!
第5章 3月末までに目標達成! それができなければ……
 エピローグ

このページのトップへ

内容説明

 

無気力と慣れあいが支配する店に投じられた小さな刺激。
心の中で錆びついていた連鎖の歯車がいま、回り始める……。

「満足=売上」
この意味に気づいたとき接客は
「ロボットでもできる」ものから
「ヒトにしかできない」ものへと
変わっていくのです。

 


 

プロローグ


パシャッ! パシャッ!
カメラのシャッター音が店内に響きわたる。

ここは都心から少し離れた場所にある焼き肉レストラン「笑顔亭」。80席ほどある客席の、窓際の席でひとりの若い男性が取材を受けている。テーブルには「いま話題の焼き肉店特集!」と書かれた資料が置かれている。

「いやー、佐野店長! 笑顔亭の最近の人気ぶりはすごいですね」

眼鏡をかけた少しお調子者のインタビュアーが、ペンを片手に興奮している。

「本当に自分でも信じられないくらいです。お客様に喜んでもらえて、うれしくてしかたありません」

取材を受けているのは笑顔亭の店長、佐野幸弘だ。身長175センチの細身の体に、笑顔になると両頬にえくぼができるイケメン青年。そのさわやかな笑顔には元気と愛嬌がにじみ出ている。

「僕らは特に変わったことをやってはいません。ただ、明確な目的に向かってスタッフとともに進んでいるだけです」
「目的ですか。それはどんな目的なのか、教えてもらってもいいですか?」
「えっと、目的はですね、『お客様も従業員も大切な人に自慢できるお店にする』です」

インタビュアーがすかさず、その言葉をノートに書いた瞬間、「パシャパシャ」とシャッター音が再度、店内に鳴り響いた。

「なるほど、なんかいい目的ですね。お客も従業員もかぁ。というか佐野さん、そんなにかたくならないでください(笑)」

少し照れ笑いをしながらも、佐野は話し続けた。

「世の中には飲食店がたくさんあって、この地域にもすごい数の飲食店があります。そのなかから笑顔亭を選んでもらえるってことは、奇跡に近いと思うんです……」

笑顔亭で働く想い、やりがい……、あとからあとから言葉があふれ出てくる。インタビュアーのノートが、佐野の言葉でどんどん埋まっていく。

「……いろいろと話してしまいましたが、つまりこういうことなんです。
お客様を満足させられるのは、僕らスタッフしかいません!
そしてスタッフが満足していなければ、いまの笑顔亭は存在しないんです!!」

ちょっと熱くなりすぎてしまったようだ。額に浮き出た汗をハンカチでぬぐいながら、佐野はポツリとつぶやいた。

「同じこと言ってるな、僕……」

佐野の頭に、ある男の顔が浮かびあがった。

パタン!

インタビュアーがノートを勢いよく閉じた。
「いい記事が書けそうです!」
そう満面の笑みで言うと、インタビュアーとカメラマンは帰っていった。

店内に残ったのは佐野ひとり。

「1年前は、いまとはまったく違ったんだよな。まさか雑誌の取材を受ける日がくるなんて思ってもいなかった。先生、元気かな。ひさしぶりに会いたいな」

窓の外にはそろそろ夏の扉を開こうとしている、おだやかな春のうしろ姿が見えていた。

 


 

 はじめに

接客・サービスに関する本は世の中にいくつもあります。この本を手に取ってくださったあなたも、いままでにそういった本をたくさん読まれてきたのかもしれません。
そして、こう思っていることでしょう。

「どれも内容は似たようなものだ……」

実際、接客・サービス業の「着地点」はひとつしかありません。
それは「お客様を満足させる」こと。
着地点がひとつであるゆえに、そこへの到達のしかたに多少の違いはあっても、結果的には「似たような本」がたくさん存在するのです。

めざすところは同じですから、どの本が正しいとか、正しくないといったことはありません。
大切なのは、書かれたことをいかに自分と照らしあわせ、共感できるか、そして実際に現場で活かすことができ、それをもとに教育できるかです。

接客業は多くの場合、個人ではなく、仲間とともにお客様をお迎えします。
ですから「お客様を満足させる」を達成するには、その仲間たちをどれくらい巻き込み、いま以上に良い空間や環境をつくることができるかが大事です。
そのためには「従業員満足」も非常に重要だと、私どもは考えます。
これらを念頭に置いていないと、「売上を上げたい」「自慢の料理を提供したい」「儲かりたい」といった自分本位の気持ちしか出ません。

「お客様がいて初めて結果や成果が出る」のが接客業です。
それを実現させることができるのは「ヒト」の力しかありません。

 

本書は、これから接客業に入ろうという方だけでなく、いままでにいろいろなノウハウを学んだ方にも、「接客って本当は楽しいもの」「やりがいがあるもの」ということを少しでも知ってもらいたくて書きました。
筆者の体験談や現在行なっていることを「笑顔亭」という架空の飲食店を舞台に書き上げています。

接客業・サービス業にとって何が「正解」かは、正直わかりません。
しかし「お客様を満足させる」ことだけは、今後も決して変わらない目的です。

お客様が来てくれるということは、そこに何かしらの魅力があり、お客様にとってプラスに働く要素があるということです。
決して「来るのがあたりまえ」ではありません。
そのお客様に来ていただき、満足してもらうために、お客様と本気で向き合い、お客様のことを本気で考える……。
そうして初めて「ありがとう」をもらえるのです。

 

このページのトップへ

関連書籍

本当にあったホテルの素敵なサービス物語

本当にあったホテルの素敵なサービス物語

ほんの小さなことが、かえって想い出に残る

著者:生井 俊
 
 
サービスパーソンのための ディズニーランドのハッピーサイクル研修

サービスパーソンのための ディズニーランドのハッピーサイクル研修

サービスは、楽しくなくちゃ意味がない!

著者:川崎 真衣
 
ディズニーランドが教えてくれた「お客様を大切に想う気持ち」

ディズニーランドが教えてくれた「お客様を大切に想う気持ち」

感動や喜びを生み出す原動力は「想い」

著者:加賀屋 克美
 
 
社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった

社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった

ディズニーランドが私にとっての学校だった

著者:香取 貴信
 
 

このページのトップへ