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常識をひっくり返せばメシの種はいくらでもある

日本一幸せな会社をつくった男のヘンな発想法

常識をひっくり返せばメシの種はいくらでもある

おれは表面的な常識ではなく物事の本質を見ている。それを「ヘンな発想」と言うならお前がヘンなんだよ!

著者 山田 昭男
ジャンル ビジネス書 > ビジネスノウハウ > 仕事術
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出版年月日 2013/10/10
ISBN 9784769611080
判型・ページ数 4-6変・240ページ
定価 本体1,400円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに

第1章 未来をつくるのは、額に汗して働いている一人ひとりの努力と工夫である

第2章 日本一働かない会社はこうしてできた!

第3章 「差別化」で自分を伸ばす10のヘンな発想法

第4章 「みんな」で組織を育てる12のヘンな発想法

おわりに

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内容説明

はじめに

おれが劇団の仲間たちと「未来工業」をつくったのは、昭和四〇年(一九六五)八月のことだった。電設資材をつくる会社だった。

会社を設立するにあたり、岐阜県大垣市久瀬川町の一軒家を借りた。六畳二間の平屋建てだった。そのうち出口側の土間にコンクリートを打って工場にし、奥の部屋を事務所にした。創設メンバーは四人、商品第一号はジョイントボックスだった。

ジョイントボックスとは、一本の電線を何本かに分岐して配線するためのプラスチック製の容器である。通常、天井裏に設置されるため、ほとんど人の目に触れることもない地味な商品だ。

おれたちが会社を設立した前年の昭和三九年(一九六四)一〇月には、東海道新幹線が開通、東京オリンピックも開催された。また日本経済は、のちに「東洋の奇跡」と呼ばれることになる高度経済成長の真っ只中にあった。テレビ、洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」と呼ばれ、庶民の暮らし向きもよくなりつつあった。

そんななか、おれたちが会社を立ち上げたのは“食う”ためだった。

たとえばソニーのように、「日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオをつくるために会社をつくった」と言えるのならカッコいいのだが、残念ながら、そのときのおれたちにつくれる商品は、多少の知識と設備があれば、誰でもつくれるローテク製品だけだった。

だが、四の五の言っている余裕などなかった。とにかくつくれるものをつくり、それを売らないことには金は入ってこないのだから……。

おれは、未来工業のたった一つの商品であるジョイントボックスをカバンに入れて、営業のために全国を駆けずり回った。ライバルは世界のナショナルの一員「松下電工(現・パナソニック電工)」だった。敵のジョイントボックスのシェアはほぼ一〇〇%。誕生したばかりの超零細企業「未来工業」は、風車に立ち向かうドン・キホーテどころか、蟻んこのような存在だった。だがおれはメゲなかった。

「ウチ、これしか売るもんないけど、これ買うてくれんと、おれたち飯を食えんのよ」

そう言って、電設資材を扱う問屋さんを回り続けた。

初年度の売上は月二〇万円がいいとこだった。当然、社員の給料も払えないほどだった。だが、二年目には月の売上が一五〇万円になった。そして昭和四八年(一九七三)には月の売上がついに一億円を超えた。

なぜ、売上を伸ばすことができたのか? それは、とにかく“差別化”を推し進めた結果だった。

およそ、電設資材の場合、材質や製造法は、「電気用品取締法」という法律できっちりと決められている。当然、どんなメーカーがつくろうと、形状も品質もほぼ同じものしかつくれない。しかし、同じようなものをつくっても、松下電工に敵うはずがない。だからおれたちは、「よそと同じものは絶対につくらん」と決めた。そして、どんな小さなことでもいいから、とにかく工夫して他社とは違う商品をつくり続けた。まずは“商品の差別化”を図ったのである。

そうして、創業して四八年が過ぎた。平成二五年(二〇一三)三月期の未来工業グループの総売上は三一四億一六〇〇万円になった。前年度に比べ、三〇億四〇〇万円(一〇・六%)の増収だった。また、営業利益は三七億八三〇〇万円で、前年度に比べ一一億一四〇〇万円(四一・七%)の増益だった。

扱っている商品が大きく変わったわけではない。もちろん、扱う商品の数は大幅に増え、現在では二万二〇〇〇点ほどの商品を扱っているが、そのすべてが相変わらずのローテク製品だ。特殊なハイテク製品など何一つない。

ただし、これは胸を張って自慢できることだが、他社と同じ商品は一つとしてない。すべての商品に「ウチだけ!」のアイデアが盛り込まれている。

だからこそ、お客さんはウチの商品を買ってくれるのであり、それが未来工業にとっての最大の武器となっている。

また、未来工業が追求している“差別化”は商品に限ったことではない。会社のあり方そのものの“差別化”にも力を注いでいる。

たとえば、よく書かれるのが、「日本一休みの多い会社」というフレーズだ。

確かにウチは、土日祝日は当然のこととして、正月休みも長々ととるから、年間の休みで一四〇日ほどになる。それに残業も禁止されているから、社員の労働時間も「日本一短い」だろう。

それで会社は儲かるのか? よくそう聞かれる。

だが、心配しなくてもいい。利益はきちんと出している。創業以来、初年度を除いて赤字になったことはないし、ウチの社員たちは、岐阜県ではトップクラスの給料をもらっているらしい。

本当のことを言えば、会社をつくって四八年もたっているのに、売上が一〇〇〇億円に届いていないことがおおいに不満であり、おれの不徳の致すところなのだが、社員たちの給料がトップクラスだということについては、少々自慢してもいいかなと自負している。なぜなら、会社は社員のために存在しているものだからである。

そんなおれに、こう書房という出版社から、なぜか「個人個人が自分を差別化して、自分らしく生きるためのノウハウについて書いてくれ」という依頼があった。

ちょっと戸惑った。

何しろおれは、これまで社員として働いたことがない人間だ。だから、すべての思考は経営者目線に発している。いわゆる雇われる側の視点、個人の立場でモノを考えたことがあまりなかったからだ。

確かにこれまで、いろいろ講演依頼を受けて話もしてきたし、何冊か本も出してきた。だがそれは、いずれも経営の一角を担っていた者として、いかに会社をつくり、成長させていくかという視点に立ったものであり、個人の生き方というより、企業の組織論あるいは経営論を中心としたものだった。

「はて、そんなおれに、個人として生き方、“差別化”を書けと言われてもなぁ」というわけだ。

しかしその一方で、「それもおもしろいかもしれん」と思った。

そもそも会社というものは、創業者の思ったとおりに育っていくものではない。誕生したとたん、次から次へとさまざまな障害とぶつかることになる。何の問題もなく、楽々と稼げるようになる会社などあり得ない。それどころか、創業者の意思に反して組織の意思で勝手に動き始めることすらある。それを放置していたら、会社は最初の理念を失い、あらぬ方向に走り始めてしまうだろう。

もちろん、最初の理念が大切であることは言うまでもない。人を騙してでも金儲けしてやろうと思ってつくった会社など論外だが、どんなに素晴らしい理念をもって立ち上げた会社でも、それを実現していくための努力と工夫と挑戦を継続していかなければ、その理念はたちまち雲散霧消していってしまう。ところが、往々にして〝常識〟に縛られ、「みんなで渡れば怖くない」とばかりに“横並び”をよしとするような組織へと変質したあげくに存在価値を失っていってしまうのだ。

そんなワナに落ちないようにするにはどうすればいいのか。おれは、“差別化”こそ、その答えだと思い、それを貫いてきたつもりだ。それは、ひょっとすると、個人個人の生き方にもつながる発想法なのかもしれない。

誰もが「自分らしく生きたい」「幸せになりたい」と言う。そのためにはまず、自分がどう生きていくのかという理念が必要だ。さらにその理念を貫くためには、努力と工夫と挑戦が必要である。そして、そのための第一歩は“常識を捨て、横並びを廃し、自分を差別化する”ことから始まるのかもしれない。

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